研究課題/領域番号 |
21K18667
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 佑介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (90843227)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 過渡選択的レーザ加工法 / TSL加工法 / ジルコニアセラミクス / フェムト秒レーザ / 超高速加工 / 励起 / ジルコニア / TSL / 電子励起 / フィラメント / セラミクス / レーザ加工 / 高速観察 / 相転移 / 過渡的透明化 / 光駆動相転移 / 多段相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,不透明材料であるセラミクスを瞬間的に透明化する技術を開発することで,高速性と精密性を両立したフェムト秒レーザ加工法を確立することを目的とする.フェムト秒レーザは材料の微細加工手法として注目されているが,硬脆材料であるセラミクスの加工時には,加工速度の低さと,クラック生成が課題となる.従来,透明硬脆材料を過渡的に金属化することで,加工性が著しく向上することが知られている.しかしながらこの金属化手法は,その原理上,透明材料にしか適用できない.そこで本研究では,セラミクスを瞬間的かつ局所的に透明化し,その透明相を金属化することによって加工性を向上させる.
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研究成果の概要 |
セラミクス材料は,優れた機械的,電気的,熱的特性を有することから,電子機器,光学機器等の主要部品として活用されている.これらの機器の更なる高機能化,低価格化のためには,セラミクス材料の微細加工を高能率かつ精密に施す技術の確立が要求されるが,その硬脆性故にセラミクス材料の加工は困難を極める.また,散乱体であるため,材料内部の現象観察も困難である.本研究では,セラミクスにフェムト秒レーザを照射した際の,励起過程の高速観察手法を確立した.そして,その励起領域を長パルスレーザで加熱することにより,セラミクスの超高速精密加工を実現した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジルコニア等のセラミクス材料をミクロに見ると,バンドギャップが広く,透過性が高い.一方で,マクロに見ると,低い透過性を示す.結晶粒界における光散乱がこの要因と考えられる.本研究では,プローブ光を集光し,その散乱光を捉えることで,セラミクス内部の高速現象の可視化を実現した.ピコ秒スケールの内部現象を撮影可能としたことは,学術的に意義がある.さらに,セラミクスの物性を過渡的に変化させることにより,超高速加工を実現した.物性制御という物理分野の研究の,生産工学分野への応用を実現したという点にも学術的意義がある.また,加工の効率化によるエネルギ消費抑制という社会的意義を有している.
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