研究課題/領域番号 |
21K18670
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
新田 勇 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30159082)
|
研究分担者 |
月山 陽介 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00533639)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
|
キーワード | ゴム摩擦 / 真実接触面積 / メニスカス / 凝着 / 広視野レーザ顕微鏡 / 水 / 非架橋部 |
研究開始時の研究の概要 |
ゴム表面の接触については,表面微小突起などのミクロサイズで研究が行われ,垂直力,分子間力(JKR理論),メニスカス力が与える真実接触面積Arへの影響が判明している.しかしこの考えを,靴底全体のマクロ領域に単純に拡張適用できるかの妥当性は明らかではない.そこで,本研究では広視野レーザ顕微鏡を使って真実接触面積の分布を明らかにし,これまでは不明であったメニスカス力などの分布を可視化することに挑戦する.
|
研究成果の概要 |
ゴムとガラスに作用するメニスカス力の影響をマクロな視点から調べた.滑らかなゴム試験片において,乾燥中では真実接触面積Arは接触時間の経過に伴い微増した.水の介在によりArは接触時間と共に大きくなった.これは,メニスカス力によりゴムがガラスに引きつけられ水が排出されるからである.蒸発が速いエタノールの場合は短時間でArが上昇した.摩擦係数の増加率はArのそれに対応しなかった.その理由は,メニスカス力で増加したAr部には圧縮の応力が働いているが,水が蒸発するとメニスカス力が消失し圧縮応力は引張応力に変わる.そのため,摩擦力が作用すると圧縮応力が作用しているAr部が消失することになるからである.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゴムは摩擦係数が高いので種々の物体搬送に使われる.原子間力顕微鏡AFMを使ったナノ・マイクロ領域でのゴム摩擦の要因は解明されているが,靴底などマクロ領域ではゴムの摩擦力は正確には予測できない.その大きな理由は,マクロ領域においてメニスカス力が適切に評価できないことである.研究代表者が開発した広視野レーザ顕微鏡ではマクロ領域のゴム表面全体の真実接触面積Arを精度良く測定できる.マクロ領域においてメニスカス力がArに及ぼす影響が解明できれば,なぜ水が介在するとゴムが滑りやすくなるのか.また,その状態でゴムを擦り続けると摩擦力が高くなるのかを解明でき,ゴムをより良く利用すことができるようになる.
|