研究課題/領域番号 |
21K18673
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋田 隆広 京都大学, 工学研究科, 教授 (20534259)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 多孔質メタマテリアル / 複合物理特性 / ナノ強誘電体 / Phase-Field法 / 第一原理計算 / 第一原理解析 |
研究開始時の研究の概要 |
多孔質メタマテリアル中の微視的な強誘電分極秩序とそのトポロジカル特性を評価する大規模解析方法と数値解析システムを構築する。これらを用いて主課題であるトポロジカル強誘電特性を解明する。同時に、付随して現れる巨大圧電性などの新機能を評価する。さらに、外力負荷解析を実施し、分極のトポロジカル特性と負荷ひずみの連動効果(複合物理特性)を解明する。メタマテリアル内部の応力場・静電ポテンシャル場の3次元空間分布を抽出・可視化し、これを基に内部での分極トポロジカル秩序形成機構を明らかにする。得られた知見を統合し、多孔質メタマテリアルのトポロジカル強誘電特性と機能の力学設計指針について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、強誘電体の多孔質メタマテリアルに着目し、第一原理計算ならびにフェーズフィールド法を用いた数値計算によってその微視的強誘電分極と外場応答特性を評価した。その結果、均質材中の直線状の分極とは全く異なる多重渦やらせん状などの位相幾何学的(トポロジカル)な新奇分極がナノ多孔質メタマテリアル中に発現することを明らかにした。また、電場に対するヒステリシス応答特性がその微視的構造に強く依存することを明らかにし、構造設計できることを示した。さらに、磁性体の多孔質メタマテリアル、強誘電体と磁性体の複合メタマテリアルについても評価を行い、その機能が微視的構造に強く依存することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、多孔質メタマテリアルの微視的内部構造とひずみ分布によって位相幾何学的な強誘電性を創り出すことで、材料力学的観点に基づく全く新しい機能創成の可能性を開拓する点に学術的意義がある。特に、メタマテリアルは光学・音響分野にて主たる研究対象となっているが、本研究では電気-力学的機能を主とするトポロジカル強誘電性のメタマテリアルなる新たな概念を立ち上げる点に特徴がある。本成果により、均質材では達成し得なかったヒステリシス応答や巨大な圧電効果などの新規機能を付与することができ、ナノ機械デバイスや情報デバイスの超大容量化といった産業応用への寄与の観点で社会的意義がある。
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