研究課題/領域番号 |
21K18682
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳増 崇 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10312662)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 水素 / 輸送現象 / 量子効果 / 分子動力学法 / 水素脆性 / 物質輸送 / 水素吸蔵合金 / 分子間ポテンシャル / 水素拡散 / 鉄の熱振動 / 経路積分法 / プロトン輸送 / 分子動力学 / エネルギー障壁 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題ではミクロスケールの解析手法を用いて原子位置の不確定性と量子トンネル効果の影響を評価してモデル化し、マクロな水素の拡散挙動を解析するシミュレータに組み込むことにより大規模数値計算を可能にする。このように水素の量子性まで取り込んで大規模系の拡散現象を解析する研究は、量子力学と分子熱流体工学にまたがる学際的な研究であり、極めて独創的かつ挑戦的な研究である。
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研究成果の概要 |
金属は鉄とし、水素の系を行う前段階として炭素とし、鉄内部の炭素の拡散現象を解析するシミュレータを構築した。鉄原子の原子間ポテンシャルとしてはEAMポテンシャルを用い、炭素はBecquart & Mayerポテンシャルで表現した。この系の炭素の輸送に関するエネルギー障壁を計算したところ、量子化学計算の結果とほぼ一致し、分子間ポテンシャルの妥当性が示された。この系を用いて温度をパラメータとして炭素の拡散係数を計算したところ、拡散係数から計算されたエネルギー障壁が量子化学計算で計算された値よりも低めに出ることが確認されたが、その原因の解明には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素は金属内部を移動して金属の脆化を引き起こすため、水素の金属内部の移動現象を把握することは水素危機の安全性を保証する上で極めて重要である。この意味でこの研究は極めて社会的意義の大きい研究である。しかしながら水素は通常の分子に比べて質量が軽いため、不確定性原理の影響を強く受け、通常の分子動力学法による解析が困難である。この問題を克服するため、本課題では量子効果を取り込んだ分子動力学計算手法を確立することを目的とした。これは学術的にも極めて挑戦的かつ価値の高い研究であると言える。
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