研究課題/領域番号 |
21K18686
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (20216732)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | レオメトリー / ナノインデンテーション試験 / 塗布 / ゲル / ペースト / インデンテーション試験 / 分散系流体 / ナノインデンテーション / レオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
ペーストやクリーム状の懸濁液・乳濁液は超低応力・低ひずみ領域において分散粒子や凝集体がジャミングを起こし,降伏応力を持ち,塗布膜の平滑性やインクジェット3D造形などの製品性能に重要な影響を与える.このような流体の流動および降伏特性に及ぼすナノからサブミクロンサイズの微細構造の影響を直接的に計測できる新たな技術として超高感度荷重センサによるナノ・インデンテーション試験を応用した構造解析技術「ナノ・レオメトリー」の手法と理論を構築し,レオメータにより求まるミクロン領域の平均的特性との比較から流体中の微視的構造と降伏特性の関係を明らかにする.
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研究実績の概要 |
材料のマイクロメカニカル特性を評価する技術は,工学分野において極めて重要である.これまでの研究では,多くの研究者が原子間力顕微鏡(AFM)を利用してこれらの課題に取り組んできた.しかし,AFMの先端がナノスケールの長さであるため,スラリーやクリームなどの分散系に関するデータはほとんどない.これらの材料は,工業や工学の場面で不可欠であり,AFMと同様の方法で正確な評価が必要である.そこで我々は,超高精度で高感度な球状ナノインデンテーション(SNI)に着目し,表層の組織レベルの特徴を測定することで,このソフトマターの特性評価を可能にした.本研究では,レオメータにより計測されたマクロ的なレオロジー特性とナノインデンテーション試験による微視的な特性の関係からゲルやペーストなど塗装やコーティングに用いられる材料の塗布特性を明らかにする技術,すなわちナノ・レオメトリー技術の開発を目指した.最終年度はSNIが濃厚分散液,特に様々なマルチラメラ構造を持つ水中油型(O/W)エマルションの局所的な空間特性を測定できる可能性があることを実験により明らかにした.SNI試験よりJohnson Kendall Roberts(JKR)予測における等価弾性係数と付着仕事を算出し,局所的な特徴はラメラ二重膜の影響を受け,接着の仕事Δγはラメラ構造が占める空間の増加とともに単調に成長することを見いだした.これらの結果はエマルションの安定性や塗布特性に影響することから,マクロ的な測定では判別が難しかった特性を明らかにする新たな技術として本手法が有効であることを示すことができた.
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