研究課題/領域番号 |
21K18690
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芝原 正彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40294045)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 熱伝導 / 界面熱抵抗 / 分子動力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,物質のスケールや状態に依存しない熱伝導特性の一般的な記述のために,液体や固体を原子・分子にまで分解し,周波数分解した熱流に対する二つの原子・分子間の熱伝導特性を記述する関数を求めて,注目する系全体または局所領域の有効熱伝導率を表現することを研究目的とする.そのために,分子動力学解析を用いて二つの原子・分子間の熱伝導特性を表現する方法を考案し,熱平衡状態の諸物理量が与える影響を明らかにする.さらに,さまざまな界面を含む複雑な系における二つの原子・分子間熱伝導特性の分布をシミュレーションにより求めて,それらと巨視的な有効熱伝導率や界面熱抵抗との関係についても明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,スケールや状態に依存しない熱伝導特性の一般的な記述のために,液体や固体を原子・分子スケールの局所領域にまで分解し,各局所領域における熱伝導特性を表す局所熱抵抗を分子動力学シミュレーションにより求める手法を確立した.この手法により固液界面全体の局所熱抵抗分布を示すことが可能となり,ナノ構造を有する伝熱面における界面熱抵抗変化の原因を明らかにした.さらに,各局所熱抵抗と全体の界面熱抵抗の関係について並列熱回路モデルが成立することを示した.また,各局所界面を通過する熱流束をフーリエ変換することにより,周波数に依存した局所界面熱コンダクタンスを求めることができることも示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案した手法を用いると,原子・分子スケールの各局所領域における熱伝導特性を表す局所熱抵抗の空間分布を得ることが可能となるため,ナノ流体などの不均一媒体の有効熱伝導率変化や表面特性分布に依存した界面熱抵抗変化の要因の解明に役立てることができる.さらに,有効熱伝導率や有効熱抵抗の変化の要因が明らかとなるため,複雑な混合媒体や界面の巨視的な熱伝導特性を最適化するための微視的な指針を得ることができるようになり,工学的意義が高い.また,ナノ構造を有する固液界面における局所熱抵抗分布はこれまでに示されたことはなく,学術的にも新奇性がある.
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