研究課題/領域番号 |
21K18696
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 史人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90221051)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 燃料電池 / 機械力学・制御 / バイオ関連機器 |
研究開始時の研究の概要 |
生体医用マイクロロボットの実現のためには生体内における動力供給,マイクロスケールに適した泳動推進,生体外部からの無線制御が重要課題である.そこで本研究では,血液などの生体液に存在するグルコースおよび酸素を燃料とするバイオ燃料電池と,その電位差に伴い発生する電気浸透流反力による自己推進機構に着目し,複数の自己推進機構と磁性ロッドからなるマイクロ泳動ロボットを提案する.理論速度・位置制御特性に基づく設計論を構築し,プロトタイプを用いた模擬生体環境下での実験により,その自己推進速度,外部磁場による操舵制御を実証・評価し,生体医用マイクロロボット位置制御システムを実現する事に挑戦する.
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研究成果の概要 |
生体液に存在するグルコースと酸素を燃料とするバイオ燃料電池と,その電位差に伴い発生する電気浸透流反力による自己推進機構に着目し,複数の自己推進機構と磁性ロッドからなる自己泳動マイクロロボット及び,外部磁場による操舵制御システムを実現することに挑戦した.30 μmのマイクロロボットを設計し,光硬化性レジスト,酸化還元酵素,金属ナノ粒子を含む多層膜を材料としてフォトリソグラフィによる作製方法を確立した.設計・構築した磁場操舵制御システムを用いて,作製したプロトタイプをグルコース溶液中で円運動させながら100 μm以上の自己推進速度を確認し,高速自己推進と操舵を両立したマイクロロボットを実証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本方式のマイクロロボットでは,磁性体と生体内で動作する動力源と電極間距離を小さくするほど高速となる自己推進機構を備える.操舵にのみ磁場を用いるため,均一磁場生成と方向制御のみの簡略な装置構成となる.従って従来技術に対し,本方式は医用マイクロロボットの駆動・制御方式として優位かつ革新的であり,これまでにない新規医療システムの創出に貢献できる可能性がある.特に従来では到達が困難であった数100 μm以下の狭く小さい領域での応用に適している.例えば,超極細の柔軟なカテーテルガイドワイヤ先端に配置し牽引・誘導するロボットや,所望の位置に薬剤などを搬送・投与する移動マイクロロボットなどが考えられる.
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