研究課題/領域番号 |
21K18698
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
杉岡 秀行 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (20769822)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | マイクロエンジン / マイクロアクチュエータ / マイクロスイマー / 熱界面現象 / 沸騰 / 対流 / エネルギー変換 / 非対称熱伝達 / マイクロロボット |
研究開始時の研究の概要 |
究極の小型化と簡素化が可能となる推進源(エンジン)の開発は、水中を自由に動きまわるマイクロスイマーやマイクロロボット開発のコア技術である。特に、自走型ライデンフロスト現象の発見以来、多数の挑戦的な研究が行われてきた。しかし、単位面積あたり1 GWを超える大きな熱流束が必要なため、その応用が制限される。このためラチェット構造などが不要な推進原理を持つ、低熱流束で動作する新発想の熱界面型マイクロエンジンの学理体系の構築が期待される。本研究では、加熱体の自己推進作用を利用した遷移核沸騰領域で動作する新規マイクロエンジン等を提案し検証する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、究極の小型化と簡素化が可能な低熱流束で動作する新しい強力なマイクロエンジンの学理体系を構築するために、次のことが遂行できた。 I.計画(2)の遷移核沸騰領域付近の回転エンジンはスクリュウー駆動を検証【①J. Phys. Soc. Jpn. 92, 074401 (2023)】。また、計画(3)のワイヤレス化について、磁場による渦電流型ボートを提案検証【②J. Phys. Soc. Jpn. 93, 034802 (2024)】。また、アンテナと水中放電(膜沸騰)を使った新ワイヤレス法を提案検証【③Physics of Fluids 35, 096603 (2023)】。 II.計画(4)の低熱流束化の検討を進めた。 【三角柱対流駆動:④J. Phys. Soc. Jpn. 92, 114401 (2023); 光点滅型:⑤ Appl. Phys. Lett. 123, 193902 (2023);対流ポンプ応用:⑥ Jpn. J. Appl. Phys. 62 117002 (2023)】 III.さらにマイクロ熱エンジンのメカニズムの系統的理解のため、核沸騰領域における非対称構造の検討を実施。【オーバーハング構造の効果:⑦Physics of Fluids 36, 024124 (2024);浮力効果:J. Phys. Soc. Jpn. 93, (2024) in press;非対称スパイラル構造の効果(投稿中)】 IV. さらに強力なマイクロ熱エンジンの実現のために、水中放電による爆発的な沸騰現象(膜沸騰)を使った熱エンジンの検討を進めた。【微小物の打ち上げ検証:⑧Physics of Fluids 35, 054105 (2023);自動リフィル型連続駆動の検証:⑨Jpn. J. Appl. Phys. 63 017007 (2024) 】
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要で記載したように、2023年度において、新しいマイクロエンジンの学理体系を構築するための研究群を推進し、その成果を9件の論文(POF誌3, APL誌1,JJAP誌2, JPSJ誌3)として国際誌に掲載できている。しかしながら、小型で強力な新しいマイクロ熱エンジンの学理体系を構築するためには、低熱流束、小型化、ワイヤレス化、高出力化とともに、材料の高度化及び微細化など多くの検討を進めていく必要がある。また、”非対称性”を意識した統一的なメカニズム体系へと発展させるとともに、低熱流束と高出力化のトレードオフを意識した学理体系を構築する必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
方針1:計画(3)のワイヤレス化をさらに進展させる:(A)成果②を手掛かりに、磁気エネルギーをコイルで受信し熱エネルギーに推進し、核沸騰を使ったマイクロ熱エンジンを駆動させる。(B)成果⑤を手掛かりに、光点滅を利用した空気圧型熱エンジンによるスイマーを提案し検証する。 方針2:マイクロ熱エンジンの高出力化のさらなる推進:(C)成果③を手掛かりに、水中放電による回転運動を検証する。(D)成果③を手掛かりに、水中放電による方向制御の可能性を検証する。 方針3:マイクロ熱エンジンの系統的なメカニズム理解の推進:(E)検討中の非対称スパイラル構造による流れ発生のメカニズムを解明する。(F)その応用可能性を示す。 方針4:計画(4)の材料の高度化及び微細化のさらなる探求:(G)自己組織化による非対称構造の作成手法を提案し検証する。(H)核沸騰領域で動作する非対称型カーボン発熱体を提案し検証する。 方針5: 研究成果の積極的な発信に努める。
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