研究課題/領域番号 |
21K18709
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20313009)
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研究分担者 |
佐藤 正寛 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40805769)
藤井 隆 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (60371283)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 電界計測 / 二次高調波 / ラプラス場 / 逆計算 / 位相整合 / DC-SHG / プラズマ計測 / 短パルスレーザ |
研究開始時の研究の概要 |
気体中における電界誘起第二次高調波を利用した電界計測法(E-FISHG法)は瞬間的な光電界を極めて強くすることでχ(3)は小さくとも大きな分極の非線形項(すなわち高感度出力)が期待できるという手法であり、理想的な電界計測技術を実現できるポテンシャルをもつ。現在、一点、もしくは一次元の測定にとどまっているうえ、ポアッソン場への適用可能性の検証、レーザプラズマによる擾乱の影響の議論はなされていない。本研究では具体的には(1)三次元電界分布測定技術の確立、(2)量子化学計算によるχ(3)の導出による適応場の拡大を行うとともに、(3)短パルスレーザの大気伝搬時の非線形現象の特性把握について研究を行う。
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研究実績の概要 |
気体中における電界誘起第二次高調波を利用した電界計測法(E-FISHG法)は理想的な電界計測技術を実現できるポテンシャルをもつ。本研究では、まず、三次元電界分布測定技術の確立を目指し、レーザの焦点位置を光路方向に変化させた一連のデータを取得し、逆計算を実施する手法の開発を行った。提案した測定システムのSHG測定信号には、位相の情報が含まれていないため、平等電界の場合の位相分布を初期値として仮に与え、順方向の繰り返し計算処理により、電界分布を推定する手法としている。 ビーム形状、ノイズレベル、被測定媒体のコヒーレント長をパラメータに、期待される測定精度の見積もりも併せておこなった。測定対象の電界分布としては一般性を持たせたPlateau分布とし、Plateau形状も変化させた場合の達成しうる空間分解能の見積もりをえた。 また、レーザ強度は強いほどSHGは大きくなるものの、レーザプラズマ生成や、フィラメンテーション現象の発現など、計測上は望ましくない現象も生じうる。レーザパルス幅を35フェムト秒から10ナノ秒までの間とし、パルス幅とレーザ強度をパラメータとして、上記の多点計測と逆計算の手法が適用できる範囲も実験的にあきらかにした。 さらに、ラプラス場のみならずポアッソン場への適用として、大気圧空気中における直流DCコロナ放電場の電界分布測定を行った。パルスレーザを、対象となる場に打ち込み、電界誘起第二次高調波発生を利用して電界を測定した。なお、パルスレーザの焦点近傍には光電離にょり電子が供給されることから、電子なだれが発生・成長、ストリーマが誘導される。レーザ誘導ストリーマの発生までの遅れ時間から逆に電界推定したところ、E-FISHG法による電界値とよく一致することが確認された。提案した電界復元手法は放電プラズマ中でも適用可能であることが確認された。
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