研究課題/領域番号 |
21K18723
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
酒井 朗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (20314031)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | メモリスタ / シナプス / ニューラルネットワーク / 介在ニューロン / 酸素空孔 / クロスバーアレイ / 連合学習 / パブロフ型条件付け / 人工シナプス / ドーパント / 有限要素法 / 電子線リソグラフィ / コンダクタンス |
研究開始時の研究の概要 |
従来のニューラルネットワーク(NN)のパーセプトロン型プラットフォームを、ハードウェアの観点から変革することを念頭に、ニューロモデュレーション機能を有する介在ニューロンを含むNNプラットフォームを創製する。ここでは、1)人工シナプスメモリスタを用いた多入力クロスバーアーキテクチャを構築し、2)電流注入・電界効果によるドーパント分布変遷の原子・電子的機構を実験・理論的に解明するとともに、3)介在ニューロン信号によって種々のシナプス可塑性を発現させ、NNプラットフォームとしての性能を実証する。
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研究成果の概要 |
脳の高次機能を有するニューロチップの実現に向けて、ニューロモデュレーション機能を発現させる介在ニューロンを含むプラットフォームの創製を目指した。その結果、4端子人工シナプスメモリスタ素子を作製し、介在ニューロン信号入力による連合学習(パブロフ型条件付け)を達成した。また、メモリスタ内ドーパント分布のシミュレーション解析にあたり、拡散・ドリフトによる酸素空孔フラックスの温度依存性と熱拡散効果を考慮することで、実験結果の一部を忠実に再現することができた。さらに、クロスバーアレイメモリスタの設計・作製プロセスを構築し、同素子における介在ニューロン機能の実装に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の4端子人工シナプスメモリスタやクロスバーアレイメモリスタは、介在ニューロンをも有する脳神経回路を忠実に模倣する真のニューラルネットワーク(NN)である。従来のパーセプトロンからソフトウェア的に発展してきた機械学習アルゴリズムを、真の脳型ハードウェアを基盤とする新たなNNアルゴリズムに発展させる学術的な変革を生み出す可能性がある。介在ニューロンからの時間的連合入力によって一シナプスの重みを他のシナプスとの相関性をもって遷移させる「パブロフの犬」を模倣する連合学習など、高度なシナプス機能による高次脳・神経機能の実現を目指しており、将来的に人工知能を発展させうる研究として社会的にも意義深い。
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