研究課題/領域番号 |
21K18728
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 道彦 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00447856)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 微粒子 / 分極 / 屈折率 / 誘電率 / DNA分子 / エクソソーム / 誘電体微粒子 / DNA / 誘電泳動 / 表面電気物性 |
研究開始時の研究の概要 |
微粒子表面に結合した物質の電気的特性によって微粒子全体の電気的特性がどのように変化するかを分極という観点から明らかにする。例えば、微粒子に結合する物質としてヒトの病気に関連するタンパク質などを用いて、それらが微粒子に結合した時の微粒子の分極特性を計測する。結合物と微粒子分極との相関を明らかにして、微粒子の電気的特性の変化を利用して病気などを迅速かつ簡便に検出するための手法の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
微粒子の分極について,その表面の導電率と誘電率からなる複素誘電率に着目した.微粒子表面の導電率は,ゼータ電位を測定することで得られる.一方,誘電率の測定法は確立しておらず,レーザー回折で測定できるかどうかを検証した.誘電体微粒子にDNAを結合し,そのレーザー回折・散乱光角度を計測したところ,DNA結合微粒子と未結合微粒子とで異なる結果が示され,微粒子表面の誘電率測定の可能性が示された.また,生体関連物質のひとつであるエクソソームの誘電体特性を調べ,その膜キャパシタンスが由来細胞と同等であること,正常細胞とがん細胞由来のエクソソームでは分極特性(誘電泳動特性)が異なることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、様々なバイオ関連物質を検出するための共通のプラットフォーム構築を目指し,微粒子表面に付着した物質の誘電率を測定する方法を考案した.これまでにない新しい手法として,微粒子のレーザー光の回折・散乱光を用いることを試みた.その結果,表面に結合DNA分子によって,回折・散乱光が変化することを示し,本手法がこれまでは不可能であった微粒子表面の誘電率測定の手法として使用できる可能性を示した.また,エクソソームの誘電体特性が由来細胞によって異なることを示し,特に,がん細胞由来エクソソームの特性を明らかにし,エクソソームを用いた診断の簡素化・迅速化の可能性を示した.
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