研究課題/領域番号 |
21K18737
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | センサ / 病原体 / 水系感染症 / 核酸 / 簡易分析 / 病原性微生物 / ナノテクノロジー / 開発途上国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではPCR法によらずに病原性微生物の遺伝子濃度を測定するセンサーを開発する。病原性遺伝子に特異的に結合するDNAプローブで標的遺伝子に金ナノ粒子を結合させる。光導波路技術でガラス表面に厚さ数100nmのエバネッセント光を放射する。金ナノ粒子が発した散乱光強度から遺伝子濃度を測定する。反応場がナノサイズであるためこれより大きい夾雑物の影響を排除できる。本技術が完成すれば極めて簡易に病原体濃度を測定できるようになり、世界中の熟練の技術者がおらず分析にコストをかけられない開発途上国の人の健康を守ることができる。現在病原体はPCR法で検出されているが、本技術では高額な分析装置や酵素が不要になる。
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研究成果の概要 |
水中の病原体由来RNA(例えば、RNAウイルス)を検出するための、単純で、迅速で、感度が高く、費用対効果の高いアッセイが、トランスクリプトーム解析に必要である。ここでは、オリゴヌクレオチド機能化金ナノ粒子プローブ(Auナノプローブ)の光散乱特性に基づいて、増幅されていないRNAを検出するための高感度アッセイを提示する。このアッセイは、RNA抽出の10分以内に逆転写およびcDNA増幅を伴わずに、細菌16S rRNAおよびmRNAの高感度定量(約10^2コピー/μL)を可能にする。さらに、このアッセイは、直接RNA定量のための以前に報告されたアッセイよりも3桁感度が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、世界全体では約20億人が安全な飲料水を利用できていない。2016年には安全でない飲料水供給施設や衛生設備の不足が原因で世界で87万人の関連死が発生した。そのため、高感度病原性微生物センサーの開発が望まれている。本法が完成すればPCR法によらずに、遺伝子抽出後は簡易に(DNAプローブとサンプルを混合するのみ)、迅速に(10分)、低コストで(1サンプル1円)病原体を検出できる。熟練の技術者がいない過疎地域や開発途上国でも飲料水中や公共用水域の病原体濃度を測定できるようになる。水の汚染発覚後、自治体は迅速に問題に対応できる。
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