研究課題/領域番号 |
21K18740
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
横尾 善之 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (90398503)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | エントロピー生成率最大化の原理 / 河道網 / 流域 / 増水 / 減水 / 平水 / 河床波 / 数値実験 / 擬河道網 / 実河道網 / エネルギー損失 / 河川密度 / 樹状構造 / 模様 / 形成要因 / 非平衡熱力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,従来の経験的知見と「エントロピー生成最大化原理」を組み合わせることによって自然界の多様なパターンの形成要因に迫り,従来の学問分野の枠を超えた数理形態学的知見の創出に挑戦する.非平衡開放系の理想的なシステムである河道網構造を足がかりとして,多様なパターンの形成機構を解明し,数理形態学をコアとする新たな学際領域の開拓を目指す.
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研究実績の概要 |
2022年度は,2021年度に着手した流域内の河道網構造とエントロピー生成率最大化の原理の関係についての検討を進めた.具体的には,中川(富山県),土器川(香川県),菊池川(熊本県),阿武隈川(福島県)を対象として,エントロピー生成率最大化の原理によって流域内の河道網構造が形成されている可能性を検討した.特に,増水時・減水時にもエントロピー生成率最大化の原理に従って河道網が拡大・縮小するのかという点について検討した.その結果,平水時・増水時・減水時のいずれもエントロピー生成率最大化の原理によって河道網が形成されている可能性が示された.以上の研究成果は,学術雑誌への投稿に向けて原稿を執筆中である. これに加えて,河床波の形成機構をエントロピー生成率最大化の原理を用いて説明できる可能性も検討した.具体的には,既往研究で報告されている河床波に関する水理実験の結果を河床波の数値モデルで再現することで,河床波の発生条件にエントロピー生成率最大化の原理が関係している可能性を検討した.その結果,河床波の発生条件にエントロピー生成率最大化の原理が関係している可能性が見いだされた.ただし,河床波の発生条件にエントロピー生成率最大化の原理が関係している明確な証拠を得るには至らなかった.そのため,河床波の発生条件にエントロピー生成率最大化の原理が関係している可能性については河床波の数値モデルを用いた検討を続ける必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に着手した流域内の河道網構造とエントロピー生成率最大化の原理の関係についての検討については,研究自体は順調に推移している.しかし,学内・学外業務の急増に伴って,2022年度中に計画していた論文の執筆が遅れている. 2022年度に着手した河床波の形成機構をエントロピー生成率最大化の原理を用いて説明できる可能性の検討については順調に概ね推移している. このため,本研究の進捗状況を判定した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,流域内の河道網構造とエントロピー生成率最大化の原理の関係に関する研究成果を学術雑誌に投稿する予定である. また,河床波の形成機構をエントロピー生成率最大化の原理の関係に関する研究成果をとりまとめ,学術雑誌に投稿する予定である.
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