研究課題/領域番号 |
21K18752
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安福 規之 九州大学, 工学研究院, 教授 (20166523)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 不飽和土 / 水分特性曲線 / 不飽和透水係数 / 不飽和一面せん断強さ / 吸排水履歴とせん断強さ / 連続加圧場 / ハイブリッド形式 / 不飽和浸透特性 / 吸水履歴とせん断強さ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで技術的に困難とされてきた不飽和土の浸透・強度特性値、つまり水分特性曲線と不飽和・飽和透水係数に加えて、水分特性に応じた強度定数を連動させて評価できるハイブリッド型の室内測定システムの構築に挑むものである。具体的な目標として、砂質系の不飽和土を対象として、水分特性と浸透特性値を得るのに必要な試験時間を従来の方法と比べて1/20程度の時間に短縮することを目指している。また、水分特性の給・排水履歴の効果を供試体をワンステップで一面せん断に供することのできる実用的なシステムの確立を行う。この取り組みを通して、実務として土砂移動現象の評価全般に広く展開できる環境を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、既に開発している連続加圧型の保水試験装置を活かし、水分特性曲線の吸水排水履歴と連動した不飽和透水係数の算定法を提示するとともに、任意の水分特性状態を反映させた一面せん断試験用の供試体を同時に3つ作成できるハイブリッド型試験システムの開発を進めている。これによって、砂質土系供試体の水分特性曲線、不飽和透水係数、せん断強さが連動して得られ、従来の手法と比べて圧倒的な効率化・高精度化を実現し、実務に活用できる試験環境の構築を目指している。この目的を達成するために、令和5年度以下のことを実施し、あらたな知見を得た。 1).昨年度までに準備した保水性試験装置と一面せん断試験用の供試体を3連組合せ、水分特性曲線、不飽和透水係数、一面せん断強さが一体的に測定可能なシステムを具体化し、その有用性と効率性を明らかにした。特に、システム全体での測定精度の把握、実験手順の明確化、制御用プログラムの改善、適用範囲の明確化を行った。2).開発したシステムの適用事例として、保水試験と3連の一面せん断試験用供試体の保水状態に着目して、保水試験装置内の供試体の保水状態と一面せん断試験用供試体のそれが許容範囲内で整合することを示すとともに、精度向上のためにはセラミックディスクの適切な選択と管理が重要であることを明らかにした。その上で、これまでの成果を踏まえ、このシステムのこれまでにない特色を従来の方法と比較して、まとめた。3).さらに、3連のハイブリッド試験装置を活かして、いくつかの砂質土系の土質材料を対象に吸水・排水履歴の影響が定体積一面せん断時の強度定数に与える影響を体系立てた実験を通して分析した。その結果、土質材料の種類に関係なく、吸水・排水履歴の影響は内部摩擦角よりも粘着力に大きく表れること、また、粘着力と吸水・排水履歴の関係性を一連の試験を通して、効率的に明らかにできることを示した。
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