研究課題/領域番号 |
21K18753
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
児玉谷 仁 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30434468)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 低分子化合物 / 有機窒素化合物 / 硝酸 / 光化学反応 / ルミノール / 化学発光 / 紫外線 / 水処理 / 紫外線照射 / 硝酸イオン / ペルオキシナイトライト / ルミノール化学発光 / 窒素化合物 / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な水資源の確保のため,廃水の再利用が進められているが,尿素やN-ニトロソアミン類などの低分子で非イオン性の有機窒素化学物質の再生水への混入が問題となっている. 本研究では,これら有機窒素化合物の高速・高感度な網羅的定量法を開発することを目的とする.紫外線による光化学反応と,ルミノールの化学発光反応を利用することで,複雑で高価な装置を必要とせず,迅速で高感度な測定法の確立を目指す.本研究の成果は,水処理プラント内での有機窒素化合物の存在濃度を迅速に把握することになり,効率の良いプラント運用や,再生水の品質保証に繋がるため,廃水の再利用を促進するための有用な測定法になるものと期待される.
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研究成果の概要 |
紫外線による光化学反応とルミノール化学発光検出法を組み合わせ,窒素を含む低分子有機化合物を簡易かつ高感度に定量可能な測定法の確立を進めた.まず塩基性条件下,硝酸イオンに222 nmの紫外線を照射することで,強い酸化力を持つペルオキシナイトライトが効率よく生成することを確認し,ルミノール化学発光検出法と組み合わせることで,硝酸イオンを高感度測定可能とした.本法は,海水中の硝酸・亜硝酸イオンの測定に利用された.さらにこの硝酸イオン測定法をベースに尿素や硝酸アルキルなどを紫外線照射により硝酸イオン,さらにペルオキシナイトライトに誘導し,測定できることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人口増加や気候変動などにより,飲料水の確保が喫緊の課題となっている.世界各地で廃水を高度処理して再利用する高度水処理プラントの建設,運用が進んでいる.このような高度水処理プラントにおいて,本研究で測定可能とした低分子量の有機窒素化合物(例えばN-ニトロソジメチルアミン,硝酸メチル,尿素など)の残存が問題となっている.よって,本研究成果により,処理水に含まれる様々な有機窒素化合物を迅速かつ高感度に測定可能であることから,より安心・安全な飲料水確保につながることはもちろんのこと,より効率的なプラント運用にも繋がる.よって,社会的意義の大きな研究と言える.
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