研究課題/領域番号 |
21K18754
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
松原 仁 琉球大学, 工学部, 准教授 (50414537)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 珪酸塩 / ジオバイオテクノロジー / 地盤修復 / MISP |
研究開始時の研究の概要 |
無降雨・無地震下における地盤災害が多発している中,環境性に優れた次世代型の地盤修復技術の開発が求められている。本研究は,高強度かつ経年劣化に強い次世代の岩石修復技術の確立を目指し,珪酸塩鉱物の析出と固定化を誘発する微生物を探索し,これを用いた新しいジオバイオテクノロジーの創生に挑むものである。
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研究実績の概要 |
本研究は,高強度かつ経年劣化に強い次世代の岩石修復技術の確立を目指し,珪酸塩鉱物の析出と固定化を誘発する微生物を探索し,これを用いた新しいジオバイオテクノロジーの創生に挑むものである。2022年度の実績を以下にまとめる。
(1)指状珪酸塩鉱物の形態・菌相分析と強度発現メカニズムの解明:当珪酸塩鉱物の形態と強度発現メカニズムについては,昨年度までにある程度の解が得られたことから,2022年度は,当該鉱物周辺に潜む微生物の菌叢構造と珪酸塩の構造との関係について調査した。結果として,当該鉱物の形態形成に影響を及ぼすような微生物種を同定するまでには至らなかったものの,珪酸塩鉱物の間隙に年輪状に析出していた炭酸塩鉱物に岩内微生物が関与している可能性が考えられ,学際的な観点から検討を進めているところである。加えて,DNA解析結果を利用して,指状珪酸塩鉱物が発達している角礫凝灰岩と,発達していない凝灰岩にそれぞれ潜む岩内微生物の菌層構造をまとめている。 (2)珪酸塩鉱物の析出を誘発するMISP技術の確立:MISP(microbially induces silicate precipitation)に有用な微生物の分離培養を実施するとともに,分離株を用いた珪酸塩鉱物の析出実験法の開発に取り組んだ。結果として,寒天培地とレーザー顕微鏡,及び,液体培地とビームスプリッターにて評価する方法を構築した。現在は,本手法を用いた珪酸塩析出実験に取り組んでいるところである。
以上のように,明確な成果を創出するまでには至っていないものの,MISP技術を構築するための基本的な知識とデータは着実に蓄積している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最大のチャレンジである,短時間に珪酸塩鉱物の析出を誘発する微生物種を探索・同定し,実験室で再現するまでには至っていないものの,珪酸塩鉱物の形態と強度発現メカニズムは明らかになり,また,珪酸塩析出に係る具体的な実験方法についても構築済である。このことから,本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り,今年度構築した珪酸塩析出に係る具体的な実験法をベースにして,本研究の最大のチャレンジである,短時間に珪酸塩鉱物の析出を誘発する微生物種を探索・同定し,珪酸塩鉱物の析出実験に取り組む。現地微生物の菌叢分析についても,引き続き実施・検討する。
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