研究課題/領域番号 |
21K18774
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小泉 宏之 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (40361505)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 大電力電気推進 / 無電極プラズマ / ホール効果 / 宇宙探査 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の宇宙開発は月以遠の深宇宙を次世代の目標としており,この鍵の1つが効率的な大電力電気推進である.現在,ホール効果スラスタと磁気ノズルスラスタという2大候補が鎬を削っているが,両者ともに一長一短を有している.研究代表者は,最近の研究成果に基づき両者の特性をあわせ持つ新しいスラスタの可能性に気づいた.本研究で提案するスラスタは,ホール効果スラスタと同様の半径方向磁場と,加速用アンテナが誘起する周方向電場のホール効果による荷電分離を利用する.本提案は既に実験的に確認されている物理に基づく一方で,周方向電流によるプラズマ生成量と,変動する軸方向電場が上流を向くフェーズのイオン流が未知要素である.
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研究成果の概要 |
本研究では将来の大型電気推進応用を見据え、半径方向に磁場が卓越したチャネル内に高周波プラズマを生成し、さらに別の低周波変動磁場を与えることで、イオンを加速排出する軸方向電場を誘起する推進機を提案した。直径10cm級の円環チャネルにソレノイドコイルとフェライトヨークを用いて半径方向磁場を生成し、円環底部(上流外部)に設置したスパイラルコイルにより低周波変動磁場を印加した。エミッシブプローブによりプラズマ電位を、ラングミアプローブによりプラズマ密度を時間分解測定した。この結果、低周波変動磁場の印加によりプラズマは有意な変化を示したが、変動磁場に同期する電場形成は確認されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
将来、大規模な惑星間宇宙輸送が行われる時代には、100 kWを超える電力で作動するプラズマエンジンが不可欠となる。そのようなエンジンは既存エンジンの延長よりは、全く新しい原理/構造によって実現される可能性が高い。本研究では、そのような方式の1つとして高周波でプラズマを生成し、別の高周波でプラズマを加速する新しい方法を試みた。未だ推進機としては作動していないものの、今後別条件での研究を継続することで新たな発見の可能性がある。また、試みられたことのない条件における作動や、当初期待されていたものとは異なる結果が出たことで、さらに別の方式を生み出す可能性がある。
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