研究課題/領域番号 |
21K18779
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杵淵 紀世志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90648502)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 極低温流体 / 気液二相流 / 再突入 / 宇宙輸送 / 極低温推進剤 / 液体水素 / 再使用宇宙輸送機 / 極超音速飛行 / トランスピレーション / 空力加熱 / 再突入熱防護 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の宇宙輸送機は熱防護の革新なくして実現し得ない。本研究では宇宙輸送機に搭載される極低温燃料を利用したマイクロ流路によるジェット生成とトランスピレーション(浸み出し)による再突入時の新たな機体冷却法を提案する。水と液体窒素を用いた模擬実験を通し、所定のジェット生成条件や、高温壁過熱度に対するジェット衝突による気泡除去・核沸騰維持の成立条件を見出し、We数、Bo数に加え伝熱・相変化に関する新たな理論的評価軸を提案する。本研究を通し従来の熱防護手法を転換、独自の技術を獲得し世界を先導する完全再使用の宇宙輸送機を実現する。
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研究成果の概要 |
本研究では,完全再使用宇宙輸送機の主要課題である再突入時の熱防護に関し,従来の耐熱材料に替えて推進剤として搭載される極低温の液体水素等を用いた流体冷却を提案する.高い冷却効率が期待される内部濡れ面積の大きなマイクロ流路を採用するが,微細流路により表面張力が卓越し,蒸気膜成長により冷却効率が低下する.そこで液体ジェットを加熱面へ衝突させ,蒸気膜の除去を促す方式を発案した.基礎実験を通し,We数に基づく蒸気膜除去の条件を見出した.これを基に実際を模擬した供試体を金属積層造形にて製作し,液体窒素を用いた冷却実験を行った.疑多孔質と比較し,提案するマイクロジェットは冷却時間が半減することを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の多孔質材に対する提案するマイクロジェット方式の優位性の実証を通し,未だ実現されていない宇宙輸送機の「完全」再使用への貢献の可能性を示すことができた.また,ロケットエンジン等の過酷な熱流束に曝される機器の熱防護にも応用できる.例えばタービン翼の冷却等に採用することにより,発電効率の向上,脱炭素への貢献も期待される.
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