研究課題/領域番号 |
21K18781
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂東 麻衣 九州大学, 工学研究院, 教授 (40512041)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 多体問題 / カオス / データ駆動 / バリスティックキャプチャ / 宇宙ミッション / 力学系 / 三体問題 / 宇宙機 / 多体力学系 / 輸送構造 / 遅延埋め込み / データ駆動科学 / バリスティックキャプチャー |
研究開始時の研究の概要 |
惑星に一時的に捕獲される現象はバリスティックキャプチャとよばれ,大気抵抗などを使わずに重力のみによって,惑星に最接近し,場合によっては惑星の周りを周回することができる.しかし,バリスティックキャプチャをはじめ,カオス的な領域を含んだ軌道設計法は現象のメカニズムにおいていまだ未知の点が多くモデル化が困難である.本研究はデータサイエンスの手法を取り入れ,宇宙機多体力学系のカオス的な軌道の代表例であるバリスティックキャプチャー軌道を復元・予測するモデルを生成,天体力学におけるカオス的現象のメカニズムの解明と宇宙工学への応用を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では動的モード分解などのデータ駆動型手法と遅延埋め込みの手法を組み合わせることで,宇宙機多体力学系のバリスティックキャプチャ軌道を復元・予測するモデルを生成した.その結果,有限の時間ステップの予測は,十分なデータ数を用いることで十分な近似精度でカオス的な遷移現象を予測できるモデルが構築可能であることがわかった.さらに,データ駆動解析と力学系解析から得られた知見を踏まえ,バリスティックキャプチャ軌道を特徴付ける力学系のindexについて検討を行いバリスティックキャプチャが起こるまでの時間とFTLEの関連を調べた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により得られた知見は,宇宙工学,天体力学の惑星形成論と異なる研究領域にまたがる多体力学系のカオス的現象について,統一的な解釈を可能とする.そして,現象のメカニズムをデータ駆動型アプローチでモデル化することにより,そのメカニズムの積極的な抽出が可能となり,宇宙ミッション策定の際の軌道設計への応用が期待される.また,データ駆動型サイエンスの非線形力学系のカオス現象への予測精度の限界などを明らかにすることは,他の学問分野においても一般化でき重要な意味を持つ.
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