研究課題/領域番号 |
21K18782
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
井上 遼 東京理科大学, 工学部機械工学科, 准教授 (60756295)
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研究分担者 |
長谷川 誠 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50376513)
新井 優太郎 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (70844439)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | コーティング / 他元素セラミックス / 熱防御システム / 熱伝導 / 熱膨張 / アーク風洞 / ハイエントロピー材料 / ZrO2 / 熱防御材料 / 酸化物 / 熱特性 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙往還機等は損耗の発生を前提とした構造及び熱設計が行われてきた。本研究は、空力加熱下でも変化せずに利用できる材料の創製を目指すもので、従来の概念とは対極にある。高エントロピー化により反応に伴うエネルギー収支を減少させ酸化抑制の効果を発現させ、格子ひずみ効果により熱膨張係数を低減した材料を実現する。設計には熱力学DBを用い、各金属酸化物をアーク溶解により作製し、微粉化する。粉末をAD法によって複合材料の基板上に組成を変化させることなく成膜する。新たなコンセプトの有用性を証明する。本研究の成果は方法論も含め、現在限界を迎えつつあるサーマルマネージメントの新たな指針となることが期待でき意義がある。
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研究成果の概要 |
5種類の酸化物セラミックスを混合し多元素化したコーティング材料の開発を行った。高温での反応を利用してZrO2ベースの多元素材料を実現できた。ボールミルによる微粉化を行いバルク材料を作製し物性の評価したところ、相対密度95%以上で1W/m程度であり、緻密組織でも熱伝導率の低下させることができた。この材料をC/C及び超高温セラミックス基材へエアロゾルデポジション法でコーティングしたところ、表面の物性(硬さ)が重要であることがわかった。基材表面の硬度を制御したところ、常温常圧コーティングを実現できた。コーティングの性能をアーク風洞試験によって評価したところ、基材の減肉がほぼ生じない良好な結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多元素化されたセラミックスの機能性に注目が集まっているが、耐熱材料としての応用と性能を向上させるための学術的指針は存在しない。本研究では一般的なセラミックスの一つであるZrO2を基本としたセラミックスコーティングを多元素化し、これまでにない性能を有する熱防御システムを完成させた。材料は基材も含め当該課題で開発された国際的に見ても高性能なものである。極超音速や宇宙往還機といった未来の輸送システムには既存の耐熱材料を超える材料が必要とされており、本研究の成果は未来の社会基盤技術となりうる。
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