研究課題/領域番号 |
21K18785
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
川越 清樹 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (30548467)
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研究分担者 |
藪崎 志穂 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 上級研究員 (60447232)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 化学的風化指標 / 土石流危険渓流 / 土砂災害発生予知 / 化学成分 / 被災回避 |
研究開始時の研究の概要 |
人的な被害を伴い,気候変動により今後も増加する見込みである土砂災害による被災を回避するために土石流危険渓流の表流水を用いた土砂災害のモニタリングによる革新的な防災技術の構築する.表流水から取得される化学成分情報を基に地質の風化進行度を誘導できる化学的風化指標を開発することで発生を予知する知見を求め,土砂災害をモニタリングできる防災技術を確立させる.
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研究実績の概要 |
近年の豪雨災害の頻発,気候変動に伴う豪雨予測をふまえて災害対策の高度改良だけでなく,多岐の科学技術を導入した安全な社会構築に向けての防災効果の高い革新的な防災技術の開発が急務といえる.本課題では,土砂災害の発生予知と事前の被災回避を目的に「化学的風化指標」と「指標を用いたモニタリング」による防災技術の開発に取り組んだ. 令和元年東日本台風時に多くの斜面崩壊の認められた阿武隈高地を対象に得られた①花崗岩の風化により溶脱しやすいCa,Na,K,Mgの元素負荷量が阿武隈高地北部で卓越している,②斜面崩壊した領域と一致した結果を,数値地理情報より取得される流域情報と重複させた解析を進めて研究成果として整理し,特に傾向顕著であるCa,Mgで指標を構成できる可能性を示して論文化した. あわせて,前年までの課題として挙げられた広域(日本列島規模)の花崗岩地帯に対する検証のため,調査試料を複数個所(東北,長野)で取得し,化学分析を進めるとともに阿武隈高地との比較を検討した.比較検討結果として,①阿武隈高地と同様にCa,Mgの成分量が多く,指標として用いることのできる可能性が明らかにされた,②化学成分の相対量からCa,Mgの利用が可能である一方で,地域的に絶対量が異なることが明らかにされた,③Ca,Mg絶対量として阿武隈高地は突出して多い傾向が示された. これらの広範域の比較検討結果より,花崗岩の年代,地域固有条件を系統的に整理する必要性がある課題が抽出され,更に拡張して試料サンプルを増加させて比較検討することが望ましい結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
阿武隈高地という特定の領域で緻密な化学的プロセスと一致できること,阿武隈高地以外の複数の調査対象個所で他の化学成分より相対的に多いCa,Mgでおおよその指標が求められる可能性を得たことで,一応の水質バランスで化学的風化指標を求めることができる成果を得ている一方で,年代,地域条件で絶対量が異なることも新たな課題も明確になった.求めるべき情報は地域的なではなく広く活用できる防災のための指標であるため,地域固有の差異を明確にするための取り組みが必要である.そのため,更に拡張した領域での試料(情報)の取得を行い系統的な情報も付け加える必要性が高まった.広範の試料,情報を更に拡張して取得する必要性より進捗をやや遅れているとした.
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今後の研究の推進方策 |
化学的プロセスの整理や防災上の指標にすべく化学成分は明らかにされた一方で,広く活用できる防災のための指標であるため,地域固有の差異を明確にするための取り組みが必要であることも明らかにされた.今後は,現在まで解析により構築された結果に対する広域(日本列島)で検証していくサンプルデータを加速的に収集していくことを推進する したがって,研究代表者,分担者と連携して,広域のデータ取得を収集することに尽力し,化学成分の導出に取り組む意向である.地域固有性を明らかにして,化学組成の全体の相対量と指標になるCa,Mgの絶対量の関係を系統化できれば,防災上で有効になる化学的風化指標の構築まで順調に進めることが可能になる.
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