研究課題/領域番号 |
21K18789
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小山 真紀 (田原真紀) 岐阜大学, 環境社会共生体研究センター, 准教授 (70462942)
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研究分担者 |
阪本 真由美 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (60587426)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 避難行動 / 台風 / 移動タイミング / 移動促進 / 移動目的 / 水害 / 自発的 / 自発的行動特性 / エージェントモデル / 避難シミュレーション / 避難モデル |
研究開始時の研究の概要 |
水害から命を守るためには早めの避難が有効であるが,避難行動を起こさない方が一般的である.しかし,行動分析のテクニックを使う事で,自ら率先して避難し,かつ,持続的な避難を行う仕組みを作ることは可能である.本研究では,自分が嗜好するものを避難トリガーとすることで避難実現性が上昇するという自閉症児を対象とした研究をもとに,これを自閉症児以外にも適用できるモデルに拡張する.自発的行動特性を持つ避難のエージェントモデルの開発を目的とする.避難シミュレーションに意思決定モデルを含めることで,人間の意思と行動特性を踏まえた避難のあり方を検討できるようになり,対策が実装できるようになる.
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研究実績の概要 |
本研究は、避難の実行には,好子(行動を強化する媒体)をトリガーにすることで,避難誘導が効果的であるとの仮説に基づき、当人の嗜好に合わせたトリガーのあり方を検討し,具体的にこれらの避難行動を起因する要素を評価できるようにすることを目的としている。 2022年度までは新型コロナウイルス感染症の蔓延により地域活動が停滞し、アンケート調査を実施することができなかったが、2023年5月に、5類感染症に移行し、各種制約が軽減されたことから地域活動が回復したため、アンケート調査を実施することができた。 対象は、平成30年7月豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町約7000世帯、岐阜県関市約1700世帯である。アンケートは紙で配布し、自治会を通じた回収、郵送による回収あるいはWEBによる回答・回収を行った。真備町では、真備地区まちづくり推進協議会を通じてアンケートの配布を行い、関市では自治会を通じてアンケートの配布を行った。 世帯票の調査項目は、世帯構成、世帯累計、要支援者の有無、ペットの有無、自宅の危険度であり、個人票の調査項目は、性別、年代、行動目的別避難促進度である。行動目的別避難促進度は、台風上陸の3日前から直前までの5つの移動タイミングを設定し、タイミングごとの移動促進度を調査した。 真備町は1月末、関市は3月末までを回収期限としていたが、まちづくり協議会あるいは自治会を通じての配布に時間を要したため、回収期間を延期して回収を行った。回収した紙の調査票については、順次電子化を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定では2023年度までの研究予定であったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延によりアンケート調査の実施ができず、研究の進捗が送れていた。2023年度に調査を行うことができたが、回収、分析、避難行動モデル構築までは至れなかったため、研究期間を2024年度まで延期することとした。
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今後の研究の推進方策 |
現在、紙で回収したアンケート調査票の電子化を進めており、電子化ができた時点で、回答に基づく避難以外の目的をもたせることによる移動促進効果の評価を行う。次に、この結果に基づいて避難行動モデルを構築し、モデル地区によるエージェントモデルシミュレーションを通じてその効果を検証する予定である。
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