研究課題/領域番号 |
21K18791
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 浩之 京都大学, 防災研究所, 教授 (70452323)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 深層学習 / 地震動 / リアルタイム予測 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は,地震発生時に各地の揺れ(地震動)をリアルタイム予測する新しい方法論を提案するものである.揺れが到達する前に地震動が予測できれば,様々な形の新しい地震防災技術への応用が期待できる.本研究目的を達成するために,機械学習の一つである深層学習を利用する.まず多数の地震計を一時的に展開して十分な数の地震記録を収集する.続いて,常設の地震観測所で得られた地震記録を入力とし,臨時で設置した地震計の記録を出力とする深層学習モデルを,大量の地震記録に基づいて学習させる.十分に学習の進んだ深層学習モデルを用いれば,時々刻々と記録される揺れから各地の揺れをリアルタイム予測することが実現できる.
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研究成果の概要 |
本課題は,地震発生時に各地の揺れ(地震動)をリアルタイム予測する深層学習モデルを構成するものである.地震計位置で取得されたデータから地震動を推定することが目的である.実際のデータに基づいて様々なモデルを検討したが,実地震データに含まれる情報が十分でないため,地震動の位相特性までを再現するには至らなかった.このため,データ不足を補うため物理法則である弾性波動方程式をPINNsの枠組みで与えることで改善を図った.結果として,震源近傍においても時刻歴データを適切に再現することができた.一方,PINNsは計算コストの問題でリアルタイム性に乏しく,この解決が課題である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
データ数の不足を物理法則である波動方程式で補うことによって,深層学習により地震動の予測が可能になる可能性を示したと言える.この結果は震源近傍の地震動を周囲の観測記録から再構成できる可能性も示しているため,例えば2024年能登半島地震のように震源断層直上の地震動の空間分布を適切に表したい場合にも活用できる可能性がある.
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