研究課題/領域番号 |
21K18794
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
小暮 哲也 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (70534006)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 分布式光ファイバセンシング / 短時間測定 / ひずみ変化 / 温度変化 / 地下水検知 / 短時間計測 / 高精度ひずみ・温度変化測定 / 光ファイバセンシング / 地すべり / モニタリング / 災害復旧事業 |
研究開始時の研究の概要 |
災害復旧事業への申請前に実施する地すべり挙動観測では,すべり面の位置の特定と地すべり移動体の変形速度の測定,が必要である。主に,①ボーリング孔から採取された岩石試料から得られる地質情報と,②ボーリング孔内に一定間隔で鉛直方向に設置したひずみ計で測定される変形のデータ,により評価されるが,地すべりの動きの特徴を定量的に示すために②のデータが重要となる。通常,ひずみ計による観測期間は6か月程度である。そこで本研究では,ひずみ計より測定精度がきわめて高い光ファイバを導入し,地すべり挙動の特徴を評価するための観測期間の大幅な短縮につながる観測手法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,地すべりの発災から国の災害復旧事業への申請までに必要な地すべり挙動観測期間の短縮を目指して,通常用いられるパイプひずみ計に代わり光ファイバセンサーを使用し,6か月程度かかる観測期間を1-2ヶ月程度に短縮する手法の確立を目的とする。 当該年度には調査地において野外観測を開始する予定であった。実際には,①調査地の決定,②ボーリング孔の掘削,③光ファイバケーブル・加熱用ケーブルの設置,④地震計の設置,⑤測定システムの構築が完了した。⑤測定システムの構築には時間を要したため,研究計画通りに測定を開始できなかった。 ⑤測定システム構築の際,測定時間の更なる短縮を目指して,研究計画段階とは異なる光の分析方法を試した。その結果,従来手法に比べて測定時間が1000分の1以下となる測定システムを実現できた。これにより測定頻度の増加が可能となり,測定の時間分解能が向上する。これは,地すべり挙動の特徴を把握するために必要な観測期間の更なる短縮につながることが期待される。また,通常,測定時間中に生じるひずみや温度の変化は取得されるデータにノイズを発生させ,測定精度を著しく低下させる。しかし,この測定システムでは測定時間が1秒以下ときわめて小さいため,ひずみや温度は測定時間中にほぼ変化しない。したがって,ノイズが少ないデータを取得でき,従来手法に比べて測定精度の向上,測定エラーの減少が見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の開始当初は,光の分析装置をレンタルする予定だった。しかし,見積もり取得後しばらくしてメーカー都合によりレンタル不可となったため,測定システムを自ら構築する必要が生じた。測定システム構築に時間を要したため,当該年度内に測定を開始できなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
構築に時間を要したものの,測定システムは既に完成した。完成した測定システムでは,データ取得の所要時間が当初レンタルする予定だった機器に比べて1000分の1以下であり,高頻度なデータ取得が可能である。したがって,斜面変動が生じる深さを特定するまでの測定期間が短くなる可能性がある。すなわち,研究期間内に本研究目的の達成が十分可能であると考えられる。
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