研究課題/領域番号 |
21K18795
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 公立小松大学 (2022) 足利大学 (2021) |
研究代表者 |
山下 幸三 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (20609911)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 雷雲 / 雷 / 静電界 / フィールドミル / スローアンテナ / IoT / 雷放電 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、雷雲活動に伴う地上静電界の多点計測に基づいた落雷発生の直前予測法確立を目的とするものである。観測では、雷雲内で生成される電荷に伴う地上静電界をフィールドミルで、雷放電による地上静電界の変動成分をスローアンテナで多点計測する。前者より雲内の電荷量・電荷高度(以下、雲内電荷)の時間変化を定量推定する。発雷前後における雲内電荷の特徴的変化を検出する。後者からは落雷・雲放電の電気的特性(放電による消費電荷量、等)を定量評価する。雷雲の「充電」と「放電」の定量比較より雲内電荷の特徴的変化と落雷の関係性を明らかにし、静電界計測に基づいた落雷発生の直前予測の原理を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では落雷発生の直前予測を目的とし、落雷発生前に雲内で生成される静電気(以下、雷雲電荷)の定量推定技術を開発した。独自設計・製造した静電界センサーを用い、雷雲下の静電界分布の多点計測より雷雲電荷を定量推定した。解析対象は雲内に単純電荷構造を仮定しやすい空間的に孤立した雷雲(以下、孤立雲)とした。孤立雲内に2極・3極電荷構造を適用し、雷雲電荷の高度・電荷量の1秒分解能での算出に成功した。孤立雲の観測事例積み増しは必要だが、発雷前における雷雲電荷の特徴的変化の検出による落雷直前予測の可能性を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
独自開発した多点計測用静電界センサー2種を用い、特定の条件を満たした雷雲に対して「充電」と「放電」の1秒分解能での定量評価に成功した。これらの成果は、落雷に至る雷雲の帯電評価による落雷警報システムの設計・開発に役立つ。また、地上静電界の多点計測に基づいた雷雲電荷の特徴的変化の抽出より、落雷直前予測の可能性を示唆する結果を得た。同手法の簡易化・一般化は、雷害をもたらす落雷の直前発生予測法確立に繋がるものと考えられる。
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