研究課題/領域番号 |
21K18797
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伏見 公志 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20271645)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 偏光 / エリプソメトリー / イメージング / その場観察 / 偏光カメラ / 薄膜 / 膜厚像 / 水薄膜 / リアルタイムイメージング / 大気腐食 |
研究開始時の研究の概要 |
偏光カメラを活用して超高速薄膜観察法を開発する。大気腐食の機構と速度は材料表面に形成する水膜の形成に直結するが、高精度でかつ高速な水薄膜の厚さとその分布の計測法が欠如しており、大気腐食現象は他の腐食現象に比べて不明な点が多い。本研究では、偏光カメラの特徴を活かして、水薄膜のリアルタイムイメージングエリプソメトリーを実施する。各種金属材料上に形成する水薄膜分布の温度湿度依存性および飛来塩分依存性を精査することにより、材料表面の濡れ乾きに対応して加速する大気腐食において明確になっていない塩水溶液薄膜の腐食に対する役割について定量的な解析を行い、大気腐食速度導出の精密化を検討する。
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研究成果の概要 |
偏光カメラを利用して反射偏光の偏光状態像から試料界面構造の光学因子像として高速導出可能なイメージングエリプソメトリーを開発した。大気腐食前駆過程としてNaCl微粒子が潮解し水膜を形成する挙動のその場観察に成功した。また、Na2SO4水溶液中、Fe-6Cr表面のアノード分極挙動は素地金属組織に依存する動画を撮影することができた。得られた偏光状態像を光学因子像に変換することにより、活性態前半におけるCr成分の前不働態、活性態後半における濃厚塩層形成、および不働態化の過渡状態における界面構造の変化が、溶液の屈折率あるいは塩薄膜・酸化膜の厚さの分布・時間の関数となることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属試料表面に形成する薄膜の物性(光学定数や膜厚)分布をその場動画撮影可能にするイメージングエリプソメトリーの開発に成功した。大気環境における塩微粒子の潮解を要因とする水(溶液)薄膜の形成過程はもとより合金の活性溶解および不働態皮膜の形成過程のその場観察を可能にする本装置を適用することにより、さまざまな金属材料の腐食機構や速度論の解明が進展し、従来より正確な腐食余寿命の予測が可能になるものと期待される。
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