研究課題/領域番号 |
21K18801
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田山 智正 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20184004)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 酸素還元反応 / 垂直磁気異方性 / 白金コバルト合金 / 白金ニッケル合金 / 表面歪 / スピン触媒 / 白金シェル / 白金合金単結晶表面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、PMAが及ぼす触媒特性への影響を実験的に解明する。具体的反応系として、PMA_Pt表面における常磁性酸素(O2)が関与する酸素還元反応(ORR)を取りあげる。具体的には、電極電位や極性(+,-)、電位掃引方向を制御し、基板表面法線方向に揃ったPt表面の電子スピンの影響により↑e- (PMA) + ↓O=O↓反応がどのように変化するか実験的に精査する。さらに、類似の表面ミクロ構造を有する一方PMAを発現しない表面系と比較し、表面が発現するORR活性に及ぼす影響を明確にする。
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研究成果の概要 |
超高真空中で作製したPtスキン層/Co(Ni)層/Pt(111)基板からなる積層構造(Pt-Co(Ni)(111)表面合金)表面において、Pt-Co(111)系は垂直磁気異方性(PMA)を示すのに対してPt-Ni(111)系は示さないこと、さらにいずれのPt(111)スキン層にも下地のCo(Ni)層の存在により圧縮歪が働くことを明らかにした。その上で、Pt(111)スキン層表面における常磁性酸素分子の還元反応活性は熱処理温度に依存し、対Pt(111)比で最大9倍程度増大するが、PMAを示すPt-Co(111)と示さないPt-Ni(111)では、活性の歪み依存性が異なることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、表面法線方向に揃った磁化が常磁性酸素の表面反応にどのように影響するか実験的に検討し、新たな触媒反応場として提案することを目的として行われた。得られた結果は、Pt単結晶表面における常磁性酸素分子の電気化学的酸素還元反応が垂直磁気異方性(PMA)の付与により影響を受けることを初めて実験的に明らかにしたものであり、「スピン触媒分野」開拓への端緒とすることができたものと考えている。
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