研究課題/領域番号 |
21K18806
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横山 俊 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30706809)
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研究分担者 |
横山 幸司 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (00911158)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Zn錯体 / アンモニア / 酸化亜鉛 / 塗布形成 / スプレー塗布 / 水酸化亜鉛 / 炭酸亜鉛 / 塗布 / 加熱 / ZnO / 薄膜 / 錯体 / アミンヒドロキソ亜鉛錯体 / 脱水 / 亜鉛錯体 / 低温 |
研究開始時の研究の概要 |
スパッタ等による金属酸化物半導体の薄膜形成は確立された技術であるが、大面積成膜が出来ず、エネルギーと資源ロスが大きいため、次世代技術の開発が進められている。その一つに、液相合成した酸化物ナノ粒子を塗布・焼結する技術が開発されており、省エネルギー/省資源で、大面積成膜が可能であるが、焼結した粒子間に空隙等の欠陥が多く残存する問題がある。代表者はアンモニア水中で形成するZn錯体を室温で塗布・乾燥すると、結晶配向性が非常に高いZnO膜を低温で形成可能であることを見出した。そこで、本錯体とZnO成長機構を明らかにし制御することによって、欠陥のない緻密かつ大面積形成可能なZnO成膜手法を確立する。
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研究実績の概要 |
これまでアミンヒドロキソ亜鉛錯体を用いて酸化亜鉛薄膜を形成するには、300度以上かつ15M程度の高アンモニア条件が必要であったが、前年度までに錯体制御および反応条件の制御によって150度以下の低温かつ1M程度の低アンモニア条件において、酸化亜鉛薄膜を形成することに成功している。本年度は、形成された膜の粗さ、厚さなどの膜質制御に加えて、大面積な酸化亜鉛薄膜形成について検討を行った。本手法において、加熱された基板上に錯体を塗布することが重要であり、それは乾燥を経由した場合は酸化亜鉛ではなく水酸化亜鉛となり、乾燥前に加熱されることによって酸化亜鉛となることを見出しているためである。したがって、均一加熱可能なホットプレート上に基板を置き、スプレー塗布可能であれば、大面積化も可能であると考えており、実際に研究実施時は1cm×1cm基板を用いて酸化亜鉛形成を行ったいたが、ホットプレートに制限された限界の大きさである10cm×10cmの大きさでも不純物相などなくZnO形成が可能であることを明らかとした。ただし、現在スプレーガンを用いた手動の溶液スプレー法による塗布を用いているため、粗さや膜厚などの膜質については、溶液条件や加熱温度よりも手動による誤差の影響が非常に大きく、再現性に乏しい。そのため、新たに再現のよいスプレー方法の開発について検討項目を追加し、再現性を担保したうえで、膜質および粗さの制御を行うことが必要となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では本年度中に酸化亜鉛薄膜の大面積化に加えて、粗さや膜質などの膜質制御も行う予定であったが、低温および低アンモニアでの酸化亜鉛形成には必須なスプレー塗布を用いた場合に、膜質の再現性が乏しいため、膜質制御を行うことができなかった。そのため、当初計画から1年延長し、再現性と担保し、膜質制御を行ったうえで、本研究の総括を行うように変更した。ただし、当初計画の中で大きな目標としていた低温かつ低アンモニア環境下にいける酸化亜鉛形成には成功していることから、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画から一年研究を延長し、酸化亜鉛の膜質の再現性を担保した上で、本研究を総括する。再現性が乏しい理由は手動でスプレーガンを用いた塗布を行っていることにあるため、スプレーガンの固定、塗布量、塗布距離などのスプレーガンによる塗布における様々な因子を制御できるような実験系を組み、制御を行うことで、再現性を担保する。
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