研究課題/領域番号 |
21K18812
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
上殿 明良 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20213374)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ナノ空隙 / 陽電子消滅 / サブミリメートル空間分解能 / 空間分解能 |
研究開始時の研究の概要 |
現時点では、サブナノメートルからマクロスケールまでの領域で、複合材料の疲労、破断に至る現象を俯瞰的に取り扱うことは難しい。サブミリメートル程度の線源スポットを持つ陽電子線源を作成する手法を開発し、高係数率の陽電子消滅実験装置により、固体中の空隙を試料位置の関数として測定する。本研究により、この状況を打破し、学術的な立場からマルチスケール現象の知見を得て、構造材料の疲労、破断の現象理解に貢献し、その寿命予測を可能とする学理を構築するための突破口としたい。
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研究成果の概要 |
陽電子は電子の反物質で、固体に入ると電子と消滅しγ線を放出する。消滅γ線のエネルギー分布や、陽電子と電子の消滅が生じるまでの時間(陽電子寿命)を測定することにより、空孔型欠陥(単一原子空孔からナノメートル程度の空隙)を非破壊で感度良く検出することができる。本研究の目的は、サブミリメートルのオーダーの空間分解能を持つ陽電子消滅実験装置を開発し、高分子材料の空隙の振る舞いを明らかにすることにある。本研究では、学外機関との共同研究により、エンジニアリング・プラスチックの自由体積と熱伝導性の関係や応力、温度による疲労の影響を研究した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽電子消滅を用いて自由体積を感度よく非破壊、かつサブミリメートル程度の分解能で測定できる装置を開発した。本装置を用いてエンジニアリング・プラスチック、炭素繊維複合材料(CFRP)等の評価を実施した。これらの材料は、精密機器機械部品、一般産業用機械部品、医療機器用部品、スポーツ用品などの分野で使用されており、材料の自由体積と材料特性の関係を評価することは大きな意義がある。本研究により、上記装置をもって企業や各種の研究所と共同研究し、材料開発を支援することが可能となった。
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