研究課題/領域番号 |
21K18816
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武藤 俊介 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (20209985)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | ポリマーブレンド / 走査透過電子顕微 / 超高圧電子顕微鏡 / 電子エネルギー損失分光 / 次元削減 / スペクトラムイメージ / 多変量スペクトル分解 / ポリマー合金 / 走査透過電子顕微鏡 / 立体観察 |
研究開始時の研究の概要 |
軽量で可塑性のあるポリマーを混合したポリマーブレンド/アロイは,様々なニーズに対応する機械/熱/電気特性を持つ新しい素材を無限に生む可能性を持つ.アロイ化された材料の成分のポリマーがどのような形態・構造で混錬しているか確認することは,その後の材料開発の重要な情報を与える.軽元素から成る高分子材料は,互いに密度や組成が似通っており,無染色で,かつ電子照射で容易に変質する.そこで本研究では、走査透過電子顕微鏡と電子エネルギー損失分光法に最新画像情報処理を組み合わせてポリマーアロイの各成分相をその化学状態とともにナノメートル分解能でイメージングする手法開発を行う.
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研究成果の概要 |
本研究は走査透過電子顕微鏡(STEM)付随の電子エネルギー損失分光(EELS)によるスペクトラムイメージデータに次元削減を適用してポリマー特有の化学種を分離・可視化する新規手法の開発を行った。加速電圧、試料温度効果により、低加速電圧、室温条件が最も損傷が激しく、主として温度上昇による熱ダメージであることがわかった。加速電圧が1000kVでは室温・低温ともにある程度の損傷が見られるが、主としてC=C二重結合とベンゼン環の損傷であり、ポリマー種分布の可視化には影響が無いことが明らかになり、ポリマー合金の成分を無染色でイメージングする技術を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特に厚い試料を透過観察及び分光測定のできる超高圧走査透過電子顕微鏡によるスペクトラムイメージ法と先端的画像処理法を組み合わせることによって,厚い試料のポリマーブレンドを構成する混合成分の無染色でのナノメートル分解能イメージングが可能であることを示すことができた.またLow-loss領域の強く重なり合うスペクトルを正しく分解することは,従来の手法の持つ欠点であったが、次元削減によるスペクトル分解法の中でも対数尤度最大化というテクニックを利用することで克服できることがわかった。
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