研究課題/領域番号 |
21K18817
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 正 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20218457)
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研究分担者 |
佐々木 拓也 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70815787)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 遷移金属炭化物 / 金属炭化物 |
研究開始時の研究の概要 |
遷移金属炭化物は様々な機能材料として期待されている.従来の遷移金属の炭化物は,その窒化物と同様に侵入型化合物として理解され,両者は類似物質群として捉えられてきた.近年,数十ギガパスカル以上で遷移金属二窒化物等の新多窒化物が多数発見され,同物質群の物質科学にパラダイム転換が起きている.そこで本研究では,有機金属化合物前駆体を用いた遷移金属炭化物超高圧合成手法を開発し,これまで発見されていない遷移金属二炭化物などの新奇化合物の創製に挑戦し,遷移金属炭化物の物質科学に新潮流を生み出す.
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研究成果の概要 |
ダイアモンドアンビルセル超高圧発生装置と赤外レーザー加熱を組み合わせたシステムを用いて,シクロペンタジエニル錯体の1つであるフェロセンFe(C5H5)2を前駆体として分解・無機化反応合成を行なった結果,新規な立方晶相が合成された.この相は,Feのfcc格子に水素と炭素が固溶したFeCxHyであることが明らかとなった.また,減圧すると水素と炭素が格子内部から脱離することでFe,C,H2に分解すると推察された.さらに,新規立方晶相が既報のfcc-FeHx(x~1.0)よりも大きな体積弾性率と格子体積を示す理由は,Feのfcc格子中に水素のみならず炭素が固溶したためであると結論した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数十GPa以上の超高圧領域における従来の物質科学研究では,これまで主に金属酸化物を対象にしており,超高圧下で金属炭化物の研究を開拓することは,金属多窒化物との比較研究と超高圧科学において飛躍的な発展が期待される.また,超高圧下で合成された物質は,ダイアモンドやZr3N4のように薄膜としても準安定的に合成される場合もあり,デバイス材料としての実用研究も始まっている.すでに薄膜化の努力が進められている金属多窒化物と同様に,金属炭化物の場合も特異な物理的・化学的物性を生かした電子材料,磁性材料,超硬質材料,電極材料,触媒材料などの新素材・新材料として期待され,新規産業の創出に貢献できる可能性もある.
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