研究課題/領域番号 |
21K18818
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松永 克志 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20334310)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 電子状態計算 / バイオセラミックス / 無機有機界面 / 界面 |
研究開始時の研究の概要 |
人工骨や人工歯根のような生体代替材料開発において、リン酸カルシウム結晶と有機材料との複合化による材料機能発現が目指されている。そこでは、リン酸カルシウム結晶と有機分子が形成する界面の安定性やその起源となる界面相互作用様式が、重要な材料設計指針となる。しかしこれに関する電子・原子レベルからの知見はほとんどない。そこで本研究では、有機分子で修飾したリン酸八カルシウム結晶に着目し、第一原理計算により熱力学的安定性や異なる有機分子に対する選択性について解明することを目的とする。この成果を、リン酸カルシウムと有機分子の複合化に関する基礎学理構築への契機としたい。
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研究成果の概要 |
リン酸カルシウム結晶と有機分子との複合化による生体材料特性向上を目指すには、リン酸カルシウム結晶と有機分子が形成する界面構造やその安定性に関する知見が重要な材料設計指針となる。本研究では、ジカルボン酸分子で修飾したリン酸八カルシウム結晶に着目し、第一原理計算によりその結晶構造および熱力学的安定性を解明することを目的とした。ジカルボン酸としてコハク酸を主な研究対象とした。既往の実験データとの比較検討から、計算結果の妥当性を確認することができた。また、界面結合状態解析および形成エネルギー評価に基づく熱力学的安定性から、同コハク酸分子修飾結晶の形成機構を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近のリン酸カルシウム系バイオセラミックスの研究開発では、リン酸カルシウム単体としてではなく、機能性有機分子との複合化が一つのトレンドである。しかし、これに関する電子・原子レベルの知見はほとんどなかった。本研究から、複雑な生体材料構造を計算科学により解明することが可能となった。生体材料研究の新しいアプローチとして、今後の研究開発に応用されていくことが期待される。
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