研究課題/領域番号 |
21K18819
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
原田 俊太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (30612460)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
|
キーワード | ベイズ超解像 / 軽元素原子 / 電子線分光 / スペクトル超解像 / 軽元素 / HAADF-STEM / 超解像 / 走査透過電子顕微鏡 / エネルギーキャリア / ベイズ推定 / 透過電子顕微鏡法 |
研究開始時の研究の概要 |
高角散乱暗視野(HAADF)走査型透過電子顕微鏡(STEM)像では、原子番号(Z)に対応したコントラストが得られるが、電子散乱能の小さい軽元素からの信号は極めて弱く、軽元素原子の観察には不向きである。本研究では低倍率のHAADF-STEM像から単位胞を含む同一箇所のユニット画像を多数抽出し、ベイズ超解像によりS/Nを高めた高解像度の画像を再構築することによって、これまでHAADF-STEM法での直接観察が難しかった、エネルギーキャリア軽元素原子の可視化に挑戦する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、ベイズ超解像を用いたHAADF-STEM法による軽元素原子の可視化を試みたが、観察試料の制約から、理想的な結果は得られなかった。しかし、積算による酸素原子の可視化に成功し、軽元素原子の可視化手法として新たな可能性を示した。また、EELSデータの超解像に関しては、0.1 eV/chのスペクトルから0.01 eV/chのスペクトルを再構成し、Tiのコアロススペクトルの高解像度再構築に成功した。これらの結果から、ベイズ超解像が高解像度のスペクトルデータ生成における有力な手段であることが確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、軽元素原子の可視化技術における新たな手法を開拓する可能性を秘めている。特に、金属酸化物中の酸素原子の観察に成功したことは、材料科学、化学、生物学等の幅広い研究領域において、微細な構造の観察・解析に対する新たな道を切り開く可能性を持つ。また、EELSデータの超解像への応用に成功したことは、電子エネルギー損失スペクトルの分析における精度を向上させ、原子レベルでの物質解析の可能性を広げることを示している。これらの成果は、物質科学研究における重要な指針となる可能性がある。
|