研究課題/領域番号 |
21K18826
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
萩原 幸司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10346182)
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研究分担者 |
眞山 剛 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (40333629)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 軽金属 / 超高強度 / 延性 / 局所変形 / 不均質組織 / 耐熱材料 / 組織制御 / 方位制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は新規耐熱「超合金」開発を,これまでに達成されていないAlやMgといった軽金属合金に主に着目し実現するという挑戦的試みである.軟質相への応力集中,局所変形を意図的に誘導することで複相材料の力学高機能化を図る「力学コンフリクト組織制御」という合金設計法を新たに提案し,各種合金の力学評価という実験的アプローチと,結晶塑性有限要素解析による計算アプローチの融合により,本挑戦的提案の妥当性について検討する.
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研究成果の概要 |
方位・形態制御した異方性マクロ組織に対し加工熱処理を組み合わせることで複相材料の力学高機能化を試みた.得られた成果として,Al-Si,Al-Mg2Si, Al-Y,Al-Ceといった合金系において上述の組織制御が可能であることを見出した.特にAl-Si,Al-Mg2Si合金に着目すると,両者はDS処理後,成長方向平行方位への圧縮試験により高い強度が実現された.このDS材に対し圧延を行うと,圧延率の増加に伴い第二相が微細化することで降伏強度が低下した.一方で,Al-Si合金DS+圧延材では特徴的なくさび状変形帯の形成が観察され,このような局所変形帯の形成が延性の向上に寄与する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は本提案とは異なる別研究において,複相材料における両相の層状(ラメラ)組織制御が多種多様な合金系においてキンク帯の形成誘導を実現し,材料強化,延性の確保を可能にする可能性を見出した.さらに本研究において,層状組織を有さない複相合金においても,圧延などの加工熱処理との融合により,組織とは異なる形で異方性を与えることにより,キンク帯に類するような新たな局所変形モードを誘起できる可能性が実験,計算の両観点から見出された.この様な新たなアプローチの確立は,CO2削減,エネルギー問題を解決する日本発の新材料創製の足掛かりとなると期待され,その学術的,社会的意義は極めて大きい.
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