研究課題/領域番号 |
21K18832
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高島 和希 熊本大学, 国際先端科学技術研究機構, 卓越教授 (60163193)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 集束イオンビーム / オーステナイトステンレス鋼 / マルテンサイト変態 / 材料強化 / 微小材料 / MEMS / 微小集積機械デバイス / 集束イオンビーム加工 / 強化機構 |
研究開始時の研究の概要 |
微小機械デバイスの信頼性、耐久性を向上させるには、使用される微小構造材料に対する強化法の開発が必要となる。本研究では、微小機械デバイス材料の一つとして期待されているオーステナイト系ステンレス鋼の微小領域に集束イオンビーム(FIB)を照射させ、マルテンサイトを形成させることで、微小寸法の構造材料に適した新しい強化法の開発を行う。本研究は、微小構造材料に対して、これまでにない新しい材料強化法として期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、304オーステナイト系ステンレス鋼の微小領域に集束イオンビーム(FIB)を照射させることにより形成されるマルテンサイト及びそのバリアントの関連を検討するとともに、照射領域の機械的性質を計測した。FIBの照射電流が3 nA以上で、オーステナイト相からマルテンサイト相への相変態が生じた。生成したマルテンサイトのバリアントは、照射した結晶面の方位により異なっていた。このことはFIBの照射方向を変えることで、形成されるマルテンサイト晶の方位を制御できることを示している。照射領域の硬さ試験を行った結果、押込み抵抗の上昇が認められ、FIBを照射した微小領域の強度を向上できることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
耐久性、信頼性に優れるMEMS等の集積機械デバイスの開発のためには、使用される材料の強化法の開発が必要とされる。しかしながら、マイクロスケール材料の強化法に関する研究は現在までほとんど行われていない。本研究は、世界的に見ても手がつけられていな微小材料の強化機構の一つを提案するものであり、本研究の成果は、我が国がこの分野において世界的なプライオリティを確保するために重要となる。加えて、本研究の成果は現在育ちつつある我が国のMEMS等の微小機械デバイス関連の産業発展に大きく寄与するとともに、新しい産業基盤の育成にもつながるものである。
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