研究課題/領域番号 |
21K18833
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小山 佳一 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (70302205)
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研究分担者 |
三井 好古 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (90649782)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 強磁場 / 合成 / 分離 / 合金 / 元素分離 / 平衡状態図 / 磁気分離 |
研究開始時の研究の概要 |
強磁性相を含む平衡状態図は強磁場によって制御可能である。つまり、強磁場によって磁気エネルギーの利得を最大化する方向に、原料から強磁性体が優先的に合成されて熱的に安定化し、熱分解が抑制される。本研究では、複数元素が混在する合金溶液中で強磁場を印加し、強磁性化合物を選択的に合成、他元素を排除することにより、新しい磁気分離に挑戦する。試料は、遷移金属の磁性と化合物の磁性の違いから、生成物合成に対する磁場効果を考慮して、Mn(常磁性)、Fe(強磁性)、Cu(反磁性)と低融点の金属群を選定した。代表者研究室の超電導磁石を主に使用して研究を進める。得られた試料は、学内外の共用分析機器等を利用して評価する。
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研究成果の概要 |
磁性相を含む平衡状態図は強磁場によって制御可能である。強磁場によって磁気エネルギーの利得を最大化する方向に、原料から強磁性体が優先的に合成されて熱的に安定化し、熱分解が抑制される。複数元素が混在する試料に強磁場を印加し、強磁性化合物を選択的に合成、他元素を排除することにより、新しい磁気分離に挑戦した。特にMn-Bi-Sn系試料では、低温では化合物合成はないが、強磁場を印加すると強磁性MnSb相を優先的に合成し、MnとBiが残留する。高温ではMn2Sbが合成されBiの分離ができた。本研究によって、強磁場印加による反応速度制御、反応物の選択、元素の濃縮という新たな磁場効果を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁性化合物の合成において、従来は原料組成比と熱処理温度を制御し目標物質を合成してきた。本研究によって、化合物に強磁性が含まれる場合、温度と磁場を制御すれば、組成比の異なる化合物が選択的に合成でき、合成に関与しない元素が分離できることを初めて示すことができた。この成果は磁場が温度や組成比と同様に、物質合成の重要な熱力学的パラメータの一つであること意味し、磁場中物質合成の新しい手法として学術的及び社会的意義は大きい。
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