研究課題/領域番号 |
21K18834
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
水口 佳一 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50609865)
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研究分担者 |
長尾 雅則 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10512478)
藤岡 正弥 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (40637740)
山下 愛智 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (20849351)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 超伝導 / 水素吸蔵 / ホール測定 / キャリア濃度 / 移動度 / 負の熱膨張 / 低温物性 / 構造解析 / ハイエントロピー合金 / 遷移金属 / ジルコニウム化合物 / 異常熱膨張 / ホール係数 / 新超伝導体 / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
最近の超高圧下実験において,水素を含む化合物において室温に近い超伝導が観測されている.本研究では,水素を豊富に含み,かつ常圧下で安定な新超伝導体を開発し,そこに室温超伝導を実現させることを目指す.申請者らが近年開発を行っている「高エントロピー合金型(HEA型)化合物」の概念を,水素吸蔵特性を有する超伝導体TrZr2(Trは遷移金属)や様々な遷移金属,化合物に適用し,HEA化による構造安定化によって水素吸蔵特性を極限まで向上させた新しい超伝導体を開発し,常圧で高温超伝導を発現させることを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,水素含有超伝導体の開発が期待できる遷移金属ジルコナイド超伝導体TrZr2(Tr:遷移金属)を合成し,その結晶構造,物性,超伝導特性,水素化の影響を評価した.水素化に関して,TrZr2Hx(x~4)では超伝導が抑制され,ホール係数測定によってその起源を解明した.水素化によってキャリア量は増大するが,キャリア移動度が著しく低下する.今後はこの知見を活かし,キャリア移動度向上を目指した物質開発および物性測定を行う.また,本研究では新たにTrZr2系における一軸的な負の熱膨張を発見した.さらに,Trサイトの元素置換で,熱膨張特性を制御できることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,水素系高温超伝導体を低圧で実現するための物質探索という挑戦的な課題に挑んだ.その中で,水素含有量が多い超伝導体において,水素化がキャリア移動度の減少を生じさせ,超伝導特性が低下する可能性を示唆した.このことは,単純な水素化のみでなく,水素化後のキャリア移動度向上が超伝導発現に重要であることを示している.また,本研究で発見されたTrZr2の一軸的な負の熱膨張は巨大であり,今後の物質開発で体積熱膨張がゼロの超伝導体を開発し,熱サイクルに強い新たな超伝導材料を見出せる可能性がある.
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