研究課題/領域番号 |
21K18837
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2021) |
研究代表者 |
篠崎 健二 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10723489)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ガラス / 破壊靭性 / ナノ粒子 / 応力集中 / ナノ力学 / 延性賦与 / 脆性ー延性転移 / ナノインデンテーション / ナノ構造 / 力学 / 延性 / SPS焼結 / ゾルゲル法 / 有限要素法 / ナノインデンテーション法 / ビッカース試験 / 金属ナノ粒子 / 高靭性 / 脆性-延性遷移 / ホットプレス法 / 残留応力 / 弾塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
ガラスが脆い原因は、亀裂先端で巨大応力(解析上無限大)の特異応力場が形成し、わずかな力で亀裂進展することである。一方、延性材料は降伏により亀裂先端が鈍化するので応力が分散する。そのため、ガラスに塑性、延性を付与するのは有効なアプローチである。申請研究では脆さの原因である特異応力場を時空間的に分散させるナノ構造をガラス中に設計することで、ガラスの強度の飛躍的向上を目指す。
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研究成果の概要 |
ガラスの割れは社会的にも問題となっている未解決の材料の課題である。従来のコンポジットや化学強化・物理強化のアプローチとは一線を画する新しい靭性向上のアプローチとしてガラスの延性賦与による特異応力場の散逸を提案した。例えば、金属ナノ粒子分散させることで、0.5vol%などのごく微量の添加であっても塑性の効果が発現し、き裂先端の応力集中を塑性変形により緩和することで破壊靭性が向上することを提案した。本研究を通して破壊靭性を3倍にすることに成功し、世界トップレベルの破壊靭性をごく微量の添加物で、ある程度大型化、量産化にも適するプロセスにより実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
材料組織に力学的不均質性を導入することで材料の靭性や強度が向上することを提示した。これはガラスのみならず、様々な材料において強い材料を開発する道筋を提示する者である。さらに,産業上、社会上もガラスの割れの問題は大きい。本課題により提示された高靭性ガラスは、従来のアプローチによるガラス物性の限界を突破するものであり、われの根本的解決につながると期待される。ガラスの軽量化を加速し、モバイルや車両などのさらなる軽量化を加速するだけでなく、機械加工性の向上なども期待され、ガラスが使える場面が広がり部材のロングライフサイクル・リユース・リサイクル性向上などを通してSDGsにも貢献することが期待される.
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