研究課題/領域番号 |
21K18841
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 宗仁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90302801)
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研究分担者 |
林 勇樹 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (90444059)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | タンパク質 / 酵素 / 活性 / タンパク質デザイン / 合理的設計 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素活性の向上は、産業や医療への応用において重要である。しかし、従来は進化分子工学的手法による大量の実験が必要であった。そこで、この状況を打破するために、本研究では酵素活性を合理的に向上させるための普遍的手法を開発する。これは学術上の難問であるが、我々は最近、課題解決のブレイクスルーとなる方法を考案して予備的な研究を行い、モデル酵素の活性を大きく向上させることに成功した。この技術を確立させるために、本研究では、この手法の妥当性の検証と、様々な酵素への適用による普遍性の検証を行う。さらに、機械学習等により理論計算法を最適化する。以上により、多くの酵素に適用可能な普遍的技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
触媒反応を行うタンパク質(酵素)は、生命現象の維持に必要なだけでなく、有用物質の工業生産にも必要であり、産業や医療などの幅広い分野に応用されている。それゆえ、酵素活性を向上させる方法の開発は、産業や医療などにおいて極めて重要である。従来の酵素設計法では大量の実験が必要なため、酵素活性を合理的に向上できる普遍的な手法の開発が急務であった。しかし、これは学問上の難問であった。本研究では、「酵素反応サイクルの律速段階における自由エネルギー障壁を低下させるように変異体を理論的に設計する」という我々が提唱する酵素の合理的高活性化法を用いることにより、実際に酵素を高活性化させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、酵素活性を向上させるための方法としては進化分子工学的実験が主流であり、大量の実験が必要なため、時間とコストがかかるという問題があった。一方、理論的なタンパク質設計法は近年、急速に進歩しており、タンパク質の構造安定化や結合能強化などを理論的に行った例が複数報告されている。しかし、酵素活性を理論的に向上させた例はほとんどなく、酵素活性を合理的に向上できる手法の開発は、学術上困難な課題として残されていた。本研究は、この課題解決への道を切り拓くことに成功した。また、酵素は産業や医療などで幅広く応用されていることから、本研究の社会的意義は大きいと期待される。
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