研究課題/領域番号 |
21K18842
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 雄杰 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00761412)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | Frustrated Lewis Pairs / 選択還元 / 小分子活性化 / 固体触媒 / FLP / ハイブリッド触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では固体表面FLP(Frustrated Lewis Pair)化学の開拓を目的とする。これにより、遷移金属フリーな条件下でH2、CO、CO2などの小分子を活性化し、その固定化反応を実現する。従来、Pt、Pdなどの不均一系貴金属触媒を用いて行ってきた反応を貴金属フリーな条件で行うことは、元素戦略の観点からも極めて重要である。したがって、もし固体表面FLP化学を創出できれば、実用性に優れた遷移金属フリーな触媒系が構築できる。
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研究成果の概要 |
本研究では固体表面の立体障害に着目し、固体Lewis酸と立体障害の大きい有機Lewis塩基のハイブリッド化による表面FLP(Frustrated Lewis Pair)化学の開拓を目的とした。種々のLewis酸性金属酸化物と塩基を用いてアルケン、カルボニル化合物、ニトロベンゼンなどの水素化反応を網羅的に検討した。結果、アルケンあるいはカルボニル化合物の水素化反応はほとんど進行しなかったのに対し、ニトロベンゼンの還元反応あるいはハロアレーンの水素化脱ハロゲン化反応は効率よく進行した。また、研究を進めていく中で、セリア担持金ナノ粒子触媒がシンガス中でアルデヒドの還元反応を触媒することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では均一系FLPの概念を固体触媒に導入することにより、固体-有機分子のハイブリッド化による表面FLP化学の開拓を目指した。これにより、従来Pt、Pdなどの不均一系貴金属触媒を用いて行ってきた反応を貴金属フリーな条件下で行うことは、元素戦略の観点からも極めて重要である。貴金属を用いない小分子の活性化は、合成化学において非常に挑戦的な課題であり、本研究は有機合成化学、触媒化学分野に対してのインパクトは大きい。また、従来高純度水素を用いる必要があった水素化反応を、シンガス中で行うことが可能となり、水素の精製に必要なエネルギーおよびコストを削減でき、化学産業への波及効果も大きいと考えられる。
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