研究課題/領域番号 |
21K18845
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
多湖 輝興 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (20304743)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ゼオライト内包貴金属触媒 / ゼオライト / 貴金属 / 内包構造 / 脱水素反応 / クラッキング反応 / 低級オレフィン / ナフサ低温接触分解 / MFIゼオライト / ZSM-5 / 貴金属微粒子 / エタン脱水素 / 芳香族 / プラチナ / ロジウム / 金属微粒子内包 / クラッキング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,石油ナフサ中のC5成分(n-ペンタン等)を低級オレフィンと芳香族類に転換する貴金属活性点と固体酸点を近接配置した貴金属微粒子内包ゼオライト触媒の開発を目的とする.従来のナフサ分解反応では,エネルギー多消費プロセスである,C5成分の転換が困難である,という問題があった.本研究では,貴金属触媒(RhやPt)上での脱水素反応によりペンテン類に転換し,金属触媒近傍に存在する固体酸点上での分解により低級オレフィンを合成する触媒反応プロセス,および生成した低級オレフィンとペンテン類の付加・環化反応により芳香族類へ転換する触媒反応プロセスの開発を実施する.
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研究成果の概要 |
プロピレン等の低級オレフィンは化成品原料として重要である.工業的には,800 ℃以上の高温水蒸気雰囲気下でのナフサ熱分解にて生産されるが,エネルギー多消費プロセスであることが問題である. 本研究では,貴金属上での脱水素と酸点上のクラッキング反応を同一触媒内で進行させる低温ナフサ接触分解反応を着想し,ゼオライト内包貴金属微粒子触媒を開発した.n-ヘキサンとn-ペンタンをモデル物質に採用し,担持金属種と担持量,固体酸点量,反応条件が生成物収率に及ぼす影響を検討した.本反応では金属上での脱水素反応が律速段階であり,450℃の低温条件において低級オレフィン収率20C-mol%以上を達成した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
貴金属ナノ粒子をゼオライト粒子内に固定化させた内包構造触媒の開発,および同触媒の調製法を開発した.ここでは,ゼオライトの酸量,および金属の担持量に依存せず,3~4nm程度の単分散金属ナノ粒子をゼオライト内へ固定化することに成功している.同触媒は,貴金属とゼオライトに由来する触媒活性を有している.そのため, C5~C6ナフサ成分の分解反応に対し,貴金属上でのアルカン脱水素反応によるアルケン生成,および酸点上での生成アルケンのクラッキングによるC2~C4オレフィン(低級アルケン)合成を,同一触媒内で逐次的に進行させることが可能となり,さらに反応温度を450℃程度まで低温化させることに成功した.
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