研究課題/領域番号 |
21K18846
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
瀬戸 章文 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (40344155)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | エアフィルタ / エアロゾル / ナノファイバ / 集塵 / 分離 / 単一繊維捕集理論 / ろ過理論 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症の感染予防手段としてマスクや空気浄化装置等に使用されるエアフィルタへの需要が世界的に急増し、その性能向上が急務となっている。単一繊維捕集理論 (SFC理論)によれば、繊維が微細化すると、フィルタ性能の大幅な向上が予測される。またさらに微細なNFの繊維表面では、流体の不連続性が顕在化し、さらに、SFC理論では考慮されていない様々な捕集機構の発現が期待される。本研究では、繊維径200nm以下のNFエアフィルタにおける「SFC理論の限界」を明らかにして、新たなエアフィルタ理論を構築することである。そのために、繊維径200nm以下のNFと単一粒子の相互作用を追究する。
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研究成果の概要 |
ナノファイバを用いたエアフィルタにおいて、粒子種を変えた性能評価の測定値と単一繊維捕集理論による推定値の比較から、粗大粒子に対して付着力の低下によって捕集効率が低下していることがわかった。捕集状態を走査型電子顕微鏡で観察することにより、繊維径が粒子径よりも相対的に小さい値をもつ繊維において、複数の繊維による捕集が優位になることが確認された。また、安定捕集される位置において、粒子が繊維表面で凝集体を形成することがわかった。これらの結果は、従来の理論の限界をナノファイバ表面における微粒子捕集機構を明らかにするものであり、工業的に使用されるエアフィルタの設計指針を与えるものとして意義がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナウイルス感染症の出現により、その感染予防手段としてマスクや空気浄化装置等に使用されるエアフィルタへの需要が世界的に急増し、その性能向上が急務となっている。単一繊維捕集(SFC)理論によれば、繊維が微細化すると、さえぎりによる捕集効率が向上するとともに、流体の滑り効果による圧力損失の低減により、フィルタ性能の大幅な向上が予測される。本研究で得られた成果は、「SFC理論の限界」を明らかにして、新たなエアフィルタ理論を構築するものであり、ナノ領域における新たなエアフィルタの設計指針を与えるものである。
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