研究課題/領域番号 |
21K18853
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高垣 敦 九州大学, 工学研究院, 准教授 (30456157)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | バイオマス / ギ酸 / 二糖類 / 固体塩基 / メカノケミカル反応 / 固体触媒 / 酸塩基触媒 / メカノキャタリシス |
研究開始時の研究の概要 |
木質系バイオマスの小規模集約で可能なプロセスで、種々のバイオマスにも対応できるシステムとして、メカノケミカル反応と固体触媒の組み合わせによる、木質系バイオマスから単糖、ギ酸を一括合成するグリーンプロセスの構築を目指す。メカノケミカル反応は、近年様々な分野で注目されているが、反応機構は未だ解明されていないことが多い。本研究では活性と触媒構造、機械的応力との相関を検討し、従来の熱反応との差異を明らかにする。
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研究成果の概要 |
過酸化水素を酸化剤、酸化カルシウムを固体触媒として用いることで、グルコース転化率99%、ギ酸収率45%を得た。活性は、固体の塩基性に大きく依存し、塩基により触媒される逆アルドール反応によるC-C結合切断の寄与、酸化反応によりカルボン酸となる反応機構等を反応速度論的解析により明らかにした。しかし、固体塩基単独で二糖類セロビオースからギ酸の収率は低く、二糖類の異性化が優先して起こり、加水分解が進行しにくかった。多糖類からギ酸を合成する場合、酸によるグリコシド結合の開裂(糖加水分解)と塩基によるギ酸生成の酸塩基を用いた2つのステップが有効であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、木質系バイオマスから有用化合物としてギ酸を生成するための反応および触媒の開発に関するものである。安価な酸化カルシウムを用いて、単糖からギ酸を良好な収率であることが明らかになった。一方で、多糖類から直接ギ酸を得ようとすると、酸化カルシウムのような固体塩基触媒単独では困難であることがわかった。これまで、液体酸や固体酸を用いたセルロースなどの多糖類からの加水分解反応は我々も含めて精力的に研究がなされており、固体酸と固体塩基の組み合わせによって多糖類からギ酸への合成が可能であることを示した。
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