研究課題/領域番号 |
21K18855
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山添 誠司 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40510243)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | キラル反応 / 金属酸化物クラスター / 塩基触媒反応 / クーロン相互作用 / 反応場制御 / キラルカチオン / 不斉合成 / 塩基触媒 / キラル分子 / 複合触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
高付加価値の医薬品や化成品合成のためのエナンチオ選択的な増炭反応(炭素-炭素結合形成反応)に有効な触媒の開発が望まれている.本研究では,クーロン相互作用を利用したキラルカチオン-金属酸化物クラスターアニオン塩基複合触媒を新たに設計・開発し,エナンチオ選択的な炭素-炭素結合形成触媒反応系の開拓に挑戦する.具体的には,クーロン引力により,C-H結合活性化可能な金属酸化物クラスターの塩基活性サイト近傍にキラル分子による不斉反応場空間と,脱プロトンによる炭素の高い求核反応性を利用した高エナンチオ選択的な触媒合成反応系の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
強塩基触媒として機能するニオブ酸化物クラスターの反応場制御を目的とし,対カチオンであるテトラブチルアンモニウムをキラルカチオンに交換したニオブ酸化物クラスターの有機カチオン塩の合成を行った.種々の方法を検討した結果、カチオン交換法によって目的のキラルカチオン-ニオブ酸化物クラスター触媒の合成に成功した.円二色性スペクトルや赤外吸収分光法,X線吸収分光法等により,前駆体塩のキラリティ及びニオブ酸化物クラスターの骨格構造を維持していることを確認した.合成した触媒を用いて反応を行ったところ,塩基触媒反応が進行することを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
塩基触媒を用いた難反応性のC-H結合の活性化による新たなエナンチオ選択的な炭素-炭素結合形成反応は,創薬,化成品合成の観点から将来なくてはならない化学技術の1つである.本研究では有機超強塩基に変わる新しい触媒として,キラルカチオン分子と強塩基触媒である金属酸化物クラスターアニオンからなる新しい不斉超強塩基金属酸化物触媒の開発に挑戦する.クラスター化学,触媒化学の異なる分野の知識を融合し,金属酸化物クラスターアニオンとキラルカチオン分子のクーロン相互作用を利用した超強塩基触媒よる不斉反応空間の構築を目指す本手法は,複雑な合成を必要としない新しい触媒合成法となると考えている.
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