研究課題/領域番号 |
21K18866
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬渡 和真 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60415974)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ナノバルブ / ナノバブル / ナノ相転移 / ナノ流路 / バルブ / ナノ流体 / マイクロ流体 / 相転移 / 極限液相 / 流体制御 |
研究開始時の研究の概要 |
10-100nmの空間は化学やバイオなど広く関係する空間であり、液相極限空間での溶液物性、さらには極限分析への応用など、基礎応用両面から重要である。そして、最近では10-100nmのナノ流体回路を人工的に構築するナノ流体の研究が進展している。しかし、超微小空間であり、流体制御は難しく集積化には限界がある。そこで、重要な技術がバルブであるが、マイクロ空間でも難しい技術であり、ナノ空間では非常に困難である。 そこで本研究では、変形や容易な気体に着目し、ナノバブルをナノ空間で生成制御する技術を創成して、ナノバブルにより世界最小の人工バルブ、すなわちナノバブルバルブを実現することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では小さすぎて機械的なバルブを導入困難なナノ流路の制御のために、小さくてソフトなナノバルブ技術を実現することを目的としている。前年度はナノ流路の気液相転移、ナノバブル形成を実現するための流路を設計・製作して、バブルが生じる条件を見出した。今年度はバブル生成条件を体系的に整備して、最適化し、さらに流路の切り替えバルブとしての有効性を実証することを目的とした。最初に表面の濡れ性とナノバブル生成、バルブ機能について比較検討したところ、水溶液の場合も有機溶媒の場合も、ナノ流路の基板材料であるガラス壁面では液体のリークが起こり、バルブとして機能しないことがわかった。一方、この実験からなるバブルを連続的に生成する方法に関する新しい知見も得た。バルブ機能実証実験ではナノ流路の表面を疎水性にすることで液漏れなく、またソフトな材料であるバブルの変形能を利用することでナノ流路を密閉できることもわかった。また、最適条件では耐圧が400kPa以上になることもわかった。さらに、マイクロ空間での実験から、この系はマイクロでは逆に大きすぎてバルブとして機能しないこともわかった。マイクロ流路の場合はマイクロ流路の接続部にナノ構造を作り込むことで制御可能であることも考えられる。以上から、バルブ開閉条件を確立して、Y字流路での切り替え実験を行ったところ、少なくとも70msレベルで切り替え可能であることがわかった。また、1000サイクルの繰り返しが可能であり、通常一つのデバイスで数10回の切り替えを行うナノ流路実験で十分に利用可能であることもわかった。 以上、挑戦的研究(萌芽)としてナノバルブの創成という目的とほぼ達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績に記載したように、条件を体系的に調べた結果、ナノバブル発生やナノバルブ機能条件を確立でき、原理実証に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
ナノバルブの応答時間について検討して、応用展開の範囲について明らかにする。
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