研究課題/領域番号 |
21K18868
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳田 剛 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50420419)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 金属酸化物ナノ構造体 / 分子センサ / 単結晶金属酸化物成長制御 / センサ / ナノワイヤ / 酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の身の回りの様々な情報を“長期的”に計測し、サイバー空間に蓄積するセンサエレクトロニクスが新しい学術と産業をまさに今切り拓いている。堅牢(頑強)な“物理”センサがその研究の主流であるが、“化学”的な分子の多次元情報(揮発性ガス等)を長期的に“電気”識別する堅牢な分子センサエレクトロニクスは未だ極めて限定的である。本研究では、大気雰囲気・高温の過酷環境で長期間に渡って機能する堅牢な人工嗅覚センサを、申請者独自の堅牢なナノワイヤ分子識別界面・ナノデバイス形成技術に基づく新しいアプローチで実現することに挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究は過酷な環境で長期間動作する人工嗅覚センサの創成を目的とした。分子認識能と堅牢性を両立させた単結晶金属酸化物界面の開発、分子選択的な捕集・脱離機能の実証、集積化センサ開発の観点から研究開発を行った。その結果、構造異性体を含むきわめて類似した構造の分子群を選択的に吸着し、かつその分子認識能が長期間保たれる界面材料の創製に成功した。さらに、分子吸着・脱離時の温度を変調することで、分子選択的な脱離挙動の実証にも成功した。また、1024個の堅牢な酸化スズ薄膜分子センサーからなるセンサアレイを開発し、揮発性有機分子の空間濃度分布を可視化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
堅牢な分子認識界面を有する金属酸化物ナノ構造体および集積化センサは、長期間のデータ取得とその機械学習によるビッグデータ解析を可能にする基盤技術であり、化学情報の活用に大きく貢献する。また、表面元素組成の制御による化学反応制御技術はセンサを高速に動作させるだけではなく、センサ表面の残留分子による特性の劣化を抑制させることにも寄与しており、分子センサや不均一触媒で本質的な課題となっている被毒の解決につながる有用な知見である。加えて、カチオン拡散による表面カチオン組成の精密制御は分子センサや触媒にとどまらずナノ構造金属酸化物の機能性を活用している幅広い分野に対して有用な波及効果の高い成果である。
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