研究課題/領域番号 |
21K18875
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江利口 浩二 京都大学, 工学研究科, 教授 (70419448)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 欠陥 / マイクロ波照射 / シリコン窒化膜 / 電気容量 / マイクロ波 / 窒化ホウ素膜 / トンネルリーク電流 / 微分電気容量 / ナノ欠陥構造 / 窒化シリコン / 窒化ホウ素 / 電磁波照射 |
研究開始時の研究の概要 |
機能素子の超高信頼性化は、社会インフラ・自動運転を支える電子デバイスや体内埋め込み型医療デバイス実現のための最重要課題である。信頼性は時間軸指標であり、その経時劣化は、工学的には設計外構造の、学術的には局所電子構造(電子捕獲型準位=ナノ欠陥構造)の動的挙動に支配される。本研究では、近年幅広い工学分野で注目されている窒化シリコン膜(SiN)や窒化ホウ素膜(BN)を対象に、ナノ欠陥解析技術(誘電関数、複素粘弾性)とマイクロ波照射技術を駆使し、未解明の①マイクロ波照射によるナノ欠陥構造の誘電損失機構の理論的解明、②ナノ欠陥構造の回復および新しい機能素子創製技術の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,マイクロ波照射(MWA)による誘電損失機構を利用した欠陥構造回復機構に着目した.シリコン基板上に作製した窒化シリコン膜(SiN)を主な対象とし,プラズマ曝露技術でこれら薄膜表面領域にナノ欠陥構造を局在化させ,プラズマ曝露前後,そしてMWA前後でのナノ欠陥構造の動的機構を主に電気特性により解析した.その結果,フラットバンド電圧がプラズマ曝露後のMWA処理により正方向にシフトすることがわかった.これは,MWA処理が固定電荷や電子捕獲準位の構造を変化させること,つまりMWA処理による欠陥構造変調が可能であることを意味している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子デバイスに用いられる機能材料中に形成される欠陥構造は,電子捕獲型準位に代表される設計外の局所電子構造である.本研究では,窒化シリコン膜(SiN)を主な対象とし,従来の高温熱処理に代わる電磁波(マイクロ波)照射による低温非平衡プロセス(MWA)による欠陥構造回復機構の解明を試みた.その結果,欠陥構造がMWAにより変調されること,すなわち欠陥構造が修復される可能性があることが明らかになった.この事実は,MWAが高温プロセスに適さない材料含め様々な材料が搭載される機能素子の超高度信頼性技術開発に寄与することを示す重要な知見である.
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