研究課題/領域番号 |
21K18878
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吾郷 浩樹 九州大学, グローバルイノベーションセンター, 教授 (10356355)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 二層グラフェン / インターカレーション / 二次元ナノ空間 / 黒鉛層間化合物 / CVD / グラフェン |
研究開始時の研究の概要 |
黒鉛層間化合物(GIC)は、挿入分子やイオンに大きく依存した興味深い物性などを示すことから長い研究の歴史がある。しかし、これまでの研究はX線回折などのマクロな測定手法に限られていたのに加え、きれいにAB積層した黒鉛をモデルとして議論がなされてきた。 本研究では、研究代表者が開発してきた六員環の方位が制御された単層グラフェンを積層して二層グラフェンとし、積層角度がインターカレーションに与える影響を研究するとともに、この知見を活かして二層グラフェンの超伝導化の可能性について検討する。同時に、最新の分析手法を駆使して、これまでのGIC科学に新たな理解をもたらし、革新的なナノサイエンスを展開していく。
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研究成果の概要 |
黒鉛に分子やイオンを挿入した黒鉛層間化合物(GIC)は、挿入物質に依存して電子・光・磁気物性が著しく変化し、超伝導を含めた興味深い物性が多く観察される。本研究では大面積に合成した二層グラフェンと、最新の電子顕微鏡を用いて、金属塩化物のインターカレーションに関する研究を行った。層間にインターカレーションされた金属塩化物が、様々な準安定構造を形成するとともに、電子線によってダイナミックに構造変化することを見出した。さらに、インターカレーションが二層グラフェンのツイスト角度に依存するという興味深い結果も得た。本成果は長い歴史のあるGIC研究に新たな知見を与え、革新をもたらすものといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黒鉛層間化合物(GIC)は多くの興味深い物性を示すことから、長い間、研究が行われてきたが、X線構造回折などでマクロな測定結果に基づいて議論がなされてきた。本研究では二層グラフェンという最新のナノ材料と最先端電子顕微鏡を用いて、ミクロな構造や詳しい機構を明らかにすることができた。本成果は、グラフェンなどの層状物質の二次元空間を舞台にした科学という新たなコンセプトを与えるものであるとともに、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池など今後のエネルギー応用において重要な設計指針をもたらすものである。
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