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スピン偏極STMによるキラル分子巨大スピンフィルター効果の微視的起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K18888
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分29:応用物理物性およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

岡 博文  東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (70374600)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードスピン偏極STM / キラル分子 / キラティ誘起スピン偏極 / キラリティ誘起スピン偏極
研究開始時の研究の概要

右手と左手のように互いに鏡写しの関係にあるキラル分子は、非磁性であるにもかかわらず、巨大なスピンフィルター効果を示すことが次々に報告されている。この効果は、磁気記録を代表とするスピントロニクスデバイスや、特定のキラリティを選択的に生成することが望まれる創薬分野や材料科学分野への応用が期待されているが、何故そのような効果や現象が起きるのかは未解明な部分が多く、よく分かっていないのが現状である。本研究は、原子や分子を可視化できる走査トンネル顕微鏡を用いて、キラル分子が示すスピンフィルター効果の起源を分子レベルで解明する。

研究成果の概要

近年、キラティ誘起スピン偏極というキラリティに由来する巨大なスピンフィルター効果が注目を集めている。しかしながら、何故そのような効果が起きるのかという微視的なメカニズムに関しては未解明な部分が多い。そこで本研究は、原子分解能とスピン分解能を有するスピン偏極STMを用いて、キラル分子・システインのスピンフィルター効果について1分子レベルで検証した。Au(110)基板上に鏡像異性体であるD-システインとL-システインそれぞれのダイマー構造を形成し、スピン偏極STM測定によりスピンフィルター効果について調べたところ、システインを通ってきた電子がスピン偏極しているという有意な結果は得られなかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

キラル分子・システインでは有意なスピンフィルター効果は得られなかった。ごく最近の研究では、分子のスピンフィルター効果には分子の「キラリティ」だけでなく「螺旋性」も重要であることが示唆されており、システインは平面的な分子で螺旋性を示さないことから、上記のような結果が得られたと考えられる。本研究により、キラティ誘起スピン偏極という興味深い現象の微視的なメカニズムについて新たな知見を得ることができた。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Charge order with unusual star-of-David lattice in monolayer NbTe22023

    • 著者名/発表者名
      Taguchi Taiki、Sugawara Katsuaki、Oka Hirofumi、Kawakami Tappei、Saruta Yasuaki、Kato Takemi、Nakayama Kosuke、Souma Seigo、Takahashi Takashi、Fukumura Tomoteru、Sato Takafumi
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 107 号: 4 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1103/physrevb.107.l041105

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] スピン依存トンネル電流を利用したナノ磁性・局所スピン物性の開拓2022

    • 著者名/発表者名
      岡 博文
    • 学会等名
      日本表面真空学会・マイクロビームアナリシス技術部会第9回研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-01-30  

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