研究課題/領域番号 |
21K18893
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中塚 理 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20334998)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 低次元物質 / 珪酸塩鉱物 / 結晶材料 / 半導体 / エレクトロニクス / 物質科学 / 薄膜 / 表面・界面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、フィロ珪酸塩鉱物への金属元素脱離/異種元素挿入による電子物性の制御、分子層薄片化から基板上への転写による2次元材料創製を目指す。既存の低次元ナノ物質の弱点を克服し、新世代エレクトロニクスに真に応用可能な化学的安定・高キャリア移動度・大量合成を実現する新奇低次元材料を探求する。『化学・半導体プロセス実験』と『理論計算実験』を並行して進め、珪酸塩鉱物への異種元素挿入による電子物性制御、2次元層分離および支持基板への転写、半導体プロセス適用の可否など、新奇低次元物質創製のための基礎的学術知見を明確化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、雲母に代表される化学的に安定な珪酸塩鉱物に着目し、その結晶・電子物性の解明・制御、さらに分子層薄片化から基板上への転写による2次元材料の創製を目標とした。雲母基板とSi基板との直接接合やスコッチテープを用いた剥離法を用いて、異種基板上への転写技術を検証した。希弗酸洗浄処理を施した疎水性表面が転写には好適なことが明らかとなった。転写前後におけるXRD測定から、転写前のバルク状態では格子面間隔が異なる複数の配向結晶が確認されたが、転写後は単一の面間隔に対応する回折ピークが観測された。また、転写プロセス検証のため、IV族系材料のGe薄膜転写、平滑化技術についても検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、珪酸塩鉱物に注目し、その層状物質である雲母を基材とした低次元材料創製に挑戦した。珪酸塩鉱物は化学的に強固なSiO4四面体構造を基本構造に持ち、多様な結晶構造を取る。雲母は、SiO4四面体から成る2次元的平面上構造内部に、いくつかの金属元素を含み、分子層状に容易に剥離可能なことから、低次元材料への加工容易性が期待できる。雲母は優れた絶縁体であり、絶縁体基板としても用いられる一方、その材料自身の結晶構造、電子物性や電気的特性に関する報告は乏しい。層状珪酸塩物質内の金属元素類を制御できれば、そのエネルギーバンド構造や電子物性を自在操作し、新世代電子デバイスに応用できる可能性が期待できる。
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